腕時計の研磨について、プロに依頼する料金の相場と修理業者の選び方を紹介!

時計の外装仕上げ

腕時計は、長年使っていると傷や汚れが目立つようになります。特に、金属製のケースやバンドは、日常的な使用で傷がついたり、皮脂や汗で汚れてしまい結果としてサビてしまうことがよくありますので、そんなときは腕時計の研磨を検討したいところです。しかし、研磨には費用や時間がかかるため、自分でチャレンジしようと考える人もいるでしょう。そこで、本記事では腕時計の研磨について、なぜ必要か、自分でできるのか、プロに依頼する場合の料金相場、研磨を依頼できる業者とその選び方などについて紹介します。

腕時計の研磨とは

時計のメッキ仕上げ・研磨仕上げ
腕時計の研磨仕上げの作業風景

腕時計は、日常生活で様々な環境にさらされ、多くのダメージを受けることがあります。その結果、時計のケースやベルトには小さな傷が付いたり、汚れが蓄積されたりすることがあります。これらの傷や汚れは、時計の美しさや耐久性に影響を与える可能性があります。腕時計の研磨は、時計を美しく輝かせ、また傷や汚れを取り除き、時計の寿命を延ばすために必要です。

研磨を行うことで、時計のケースやベルトの表面についた傷を目立たなくすることができます。特に、高級時計の場合、細かい傷や汚れがあると、時計の価値が下がる可能性があります。また、時計を長期間保管する場合、汚れや錆などが原因で固着してしまうことがあります。定期的な研磨によって、長期的に美しい外観を保つことができます。

なお、研磨はすべての素材で行えるわけではなく、ステンレスやゴールドといった素材でのみ可能です。特殊な素材や、プラスチックなどの素材の場合には研磨することができないことがあるので注意しておきましょう。

また、研磨はごく薄くではありますが、実際にミクロ単位で削ることで傷を消していますので、あまり頻繁に行うと形が崩れてしまうこともあり、最大でも5〜6回ぐらいが限度と言われています。 頻繁にできる作業ではないため、腕時計の研磨を行うタイミングとしては、目立つ傷がついてしまった時、もしくは3〜4年に1回程度行うオーバーホールの際に研磨も同時に行うべきか検討するのがよいでしょう。

腕時計の研磨は自分でできるのか

腕時計を実際に削ることで傷を消すことができるのであれば、方法さえわかれば自分でも出来るのでは?と考えられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際、腕時計の研磨を専用のペーパーなどで行うこと自体は可能であり、そのための方法もWebサイトで探すことで見つけることができます。しかし、実際にご自身で研磨を行うことは絶対におすすめいたしません。

その理由はいくつかございます。1つ目の理由は、必要以上に削りすぎてしまい、形が悪くなってしまう点です。最悪の場合は研磨する前よりも見た目が悪くなってしまうこともあります。また、削りすぎてしまうと時計の資産価値も減少してしまい、せっかくの高級時計もその価値が下がってしまいます。プロに依頼をすればそのようなことを防ぐことができ、高品質な仕上がりとなります。

2つ目の理由は、専門的な知識や技術が必要なためです。Webサイトなどで見つけることができる方法はごく一般的な方法のみで、すべての腕時計に当てはまるわけではありません。上述した通り、特殊素材など研磨ができない素材があったりしますし、素材に合った研磨剤の種類や研磨方法で行わないと時計の風防など研磨してはいけない箇所に逆に傷をつけたりする恐れもあります。自分の時計がどのような素材なのか、どのような方法で研磨をすればいいのか、こと細かく調べあげることはかなり大変であり、プロに依頼をしてしまいリスクなく研磨を終えることを選択される方がいい選択だと思われます。

3つ目の理由は、自分で行う場合、専用の工具や材料を用意しなければならない点です。 出来るだけ安価に行う方法をWebサイトで見かけますが、その方法で出来る範囲は限られますし、精密な作業を行うにも限界があります。 また、研磨作業は時間がかかるため、ご自身で研磨する場合は作業に集中する時間が取れるかどうかも問題です。実際に本格的な作業を自分自身で行うとなると、結局は専用の工具のためのコストや手間がかかってしまいます。これらを考慮すると、プロに依頼した方がコストパフォーマンスが高い場合がほとんどです。

以上の理由から、腕時計の研磨は、プロに依頼することをおすすめしています。プロに預けて安心して時計を研磨してもらい、美しい輝きを取り戻しましょう。

腕時計の研磨の料金相場

簡易見積り

それでは、実際にプロへ依頼するとなった場合にはどのくらいの料金がかかるのか気になるところだと思います。

腕時計の研磨の料金相場は、正規メーカーに依頼をするのか、それとも時計専門の修理店に依頼するのかよって異なりますが、一般的には腕時計の素材や機構の違いによる、研磨作業にかかる時間や難易度によって料金が設定されます。

研磨の作業時間や難易度が高くないものであれば数千円〜2万円前後が相場となりますが、腕時計の種類や素材、損傷の程度によっては、数万円かかることもあります。修理店によっては、研磨作業に加えて部品の交換や修理が必要な場合があり、それによって費用が増えることもあります。また、修理店によっては急ぎの修理も受け付けている場合がありますが、その場合には追加料金がかかることも。研磨作業を依頼する前に、複数の修理店から見積もりを取り、料金などを比較することが重要です。また、料金だけでなく、業者の信頼性や技術力、実績なども確認することが大切です。

研磨を依頼できる業者とその選び方

プロに依頼をしたいと考えた際、研磨を依頼する業者がたくさんありどの業者を選べば良いか迷ってしまうこともあるでしょう。そんな方はまず、正規メーカー店か修理専門業者かを選択するところから始めましょう。

正規メーカー店の1番のメリットはなんといってもその安心感です。自社の時計に熟知した時計技師が在籍されていますので、安心して時計を預けることができます。しかし、デメリットとして正規メーカー店は金額が高くなる傾向があり、先ほど紹介した相場よりも高くなりやすいため注意が必要です。また、メーカーによっては研磨のみを受付していない場合もあり、オーバーホールとセットで依頼をしないといけない場合もございます。その際、サービス仕上(ライトポリッシュ)が選択できるケースもありますが、作業時に目立つキズを除去するため、通常の仕上とは違い、大きなキズは残ってしまうことがあります。オーバーホールと一緒に検討をされている場合は問題ありませんが、研磨だけを依頼したいと考えている場合には正規メーカー店に依頼するのは難しい面があることに注意しましょう。作業時間も研磨のみの場合と比べて長くなってしまいます。

修理専門業者では、様々なブランドの修理を行っており、各種修理サービスのみを提供しているところも多いため、研磨のみの依頼も可能です。また、正規メーカー店と比べて価格も安い傾向があり、研磨のみの依頼も可能なため数週間程度で作業をしていただくこともできます。 デメリットとしては、高い技術力を持った修理専門業者を探す必要がある点です。技術力の低い業者に依頼をしてしまっては、期待した通りの結果にならない場合も出てきてしまいます。そうならないためにも、修理業者の「実績」・「技術力」・「評判」・「料金と作業内容」を確認することが重要です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

実績の確認

腕時計の研磨を依頼する業者を選ぶ際に、まずはその業者の実績を確認することが重要です。実績がある業者であれば、技術力や信頼性に対する保証があります。そのため、業者選びの際には、実績を十分に調べることが大切です。

実績を調べる方法としては、多くの修理業者が自身で実績をWebサイトで公開しているため参考になります。ただし、業者が公開する情報はあくまで自己申告に過ぎないため、信憑性には注意が必要ですので、この他にも紹介する「技術力」や「評判」などと合わせて判断することが大切です。また、業者の実績を確認する際には、腕時計の研磨に限らず、オーバーホールなどの実績も参考にすると良いでしょう。オーバーホールではかなり高い技術力が求められるため、業者の信頼性を確認することができます。総合的に判断して、実績のある業者であれば、腕時計の研磨を依頼する際に安心感が得られますので、業者選びの際には実績を十分に調べ、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

技術力の確認

腕時計の修理・研磨には、高い技術力が必要です。そのため、業者を選ぶ際には、業者の技術力を確認することが非常に重要です。技術力が高い業者であれば、腕時計の傷を取り除くだけでなく、細かい部分まで綺麗に仕上げることができます。

技術力を確認する方法の1つとして、実際に作業を終えた腕時計を見せてもらう方法があります。しかし、これは実際に店舗に出向かわなくてはならない点や、お客様の腕時計の管理体制の関係上、他のお客様にお見せできない場合がある点などから、実際には難しい場面も多いと思います。

代替方法としましては、修理業者のウェブサイトなどで取り扱い可能なブランド数の情報を確認することが1つの方法です。技術力が高いほど複雑な機構を持つ腕時計の修理や研磨ができ、幅広いブランドを取り扱うことが可能です。ROLEXなどの有名ブランドはもちろん、それ以外のブランドも含めてどのくらいの種類のブランドを取り扱っているのかを参考にすると良いでしょう。

また、実績でも記載しましたが、研磨以外のサービスも提供しているのかはとても重要です。高い技術力を持つからこそ、色々なサービスの提供が可能です。加えて、それぞれのサービスでどのような機材を導入しているのかやどのような環境で作業をしているのかも、一つの指標となります。腕時計の種類や提供サービスに合わせて最適な環境・機材で作業をすることで、高い技術力がより高水準で発揮されますので、研磨でも満足できる結果を得られる可能性が高くなります。

評判の確認

どの業界でも業者選びで欠かせないのは評判を確認することです。特にインターネットが普及した現代では、ネット上にその業者の評判が簡単に見つけられるため、情報を収集しやすくなっています。

まず、その業者のウェブサイトやSNSアカウントなどから、過去のお客様の声などを探してみましょう。実際にその業者に依頼した人たちの感想や評価を読むことで、その業者の信頼性や品質を判断することができます。

業者が発信している情報だけでは不安な方は、さらに、口コミサイトなども活用しましょう。 また、実際に知り合いや家族、友人などにその業者について聞いてみるのもおすすめです。身近な人の体験談は、よりリアルな情報を得ることができるため参考になるでしょう。なお、口コミサイトを利用する際、サイトによって評価に偏りがある場合もありますので、複数のサイトを利用して総合的に判断することをお勧めいたします。

料金や作業内容などサービスの確認

最後のポイントとして、料金や作業内容の確認しましょう。まず、料金については、各業者ごとに異なるため、複数の業者から見積もりを取ることが大切です。ただし、料金だけで判断するのは危険です。あまりにも安い業者は、品質の面で疑問符がつくことがあるため、安易に選ばないようにしましょう。これまでご紹介した「実績」「技術力」「評判」などと合わせて総合的にしっかりと判断しましょう。

また、作業内容についても、事前に確認することが重要です。例えば、研磨だけでなく、傷の修理やパーツ交換など、必要な作業がある場合があります。業者によっては、その一部を含めた総合的なメンテナンスを提供している場合もあります。必要な作業内容を確認して、自分の要望に合う業者を選びましょう。信頼できる業者であれば、どのような作業が必要で、いくらかかるのかなど事前にしっかりと説明をしてくれます。

以上の点を踏まえて、適切な業者を選びましょう。

K’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理

K’s factory(ケイズファクトリー)では、時計専門店様から数多くの難しい依頼を受けてきた経験豊富な技術者が皆様のご愛用の腕時計を的確に診断・修理いたしております。また、ほぼ全ての修理工程を自社工房内で完結しており、厳重なセキュリティシステムで責任をもって皆様の大切な腕時計をお預かりしております。

内部(ムーブメント)のオーバーホールはもちろんのこと、外装部の点検・修理なども含めたトータル修理も賜っております。一部修理後のご相談やベルトの交換などのご依頼も対応しておりますので、ぜひK’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理をご活用ください!

まとめ

腕時計は定期的なメンテナンスを行うことで、腕時計の長寿命化や外観の美しさを維持することが可能です。その中で、研磨も重要な作業の1つであり、多くのメリットがあります。しかし、研磨を自分で行うことはお勧めできません。プロの技術と専門知識を持つ業者に依頼することが最善策です。

修理業者を選ぶ際には、業者の実績や技術力、評判、料金や作業内容を確認することが大切です。正規メーカー店や修理専門業者など、様々な業者がありますが、自分の腕時計に最適な業者を選ぶようにしましょう。

ぜひ、この記事を参考にプロの研磨業者に依頼し、大切な腕時計を美しく輝かせ長く利用できるようにしましょう。

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