ブルガリの腕時計は、ディアゴノやオクトなど、優れたデザイン性と機能でファッションに感度の高い方はもちろん、時計好きからも人気を集めています。優れた技術で作られたブルガリの時計ですが、長く使い続けるには定期的にオーバーホールと呼ばれるメンテナンスを行うことが推奨されます。
腕時計は普段使用していると、動かなくなったり進みに遅れが出たりといった不具合が発生することがあると思います。また、ムーブメントの動作不良が発生したり、時計の内部に使われている油が劣化したりと、放置することで故障に発展する可能性が高まります。そうした場面に遭遇した際に、「修理をしたいと思ってもどこに依頼すれば良いのかわからない」「定期的なメンテナンスであるオーバーホールをしたいけれど、どのくらいの費用がかかるのかわからない」といった悩みを持たれる方も多くいらっしゃると思います。
そこで本記事では、ブルガリのオーバーホールにかかる料金や修理にかかる期間、オーバーホールや修理を依頼するための時計修理店の選び方についてのポイントをご紹介します。
オーバーホールとは
オーバーホールとは、腕時計を分解・点検・洗浄・組み立てまでの一連の工程を指す言葉です。腕時計は、100以上の部品から成り立っている非常に複雑な精密機械です。
そのため、問題なく動いていても内部の一部の部品に不具合が発生することがあります。そういった不具合を早めに発見し、修理することで腕時計を長く使い続けることができます。車で例えると定期的に車検を行い、問題がないことを確認したり不具合部分を交換したりするように、腕時計にも定期的なメンテナンスが必要です。
また、部品同士の摩耗を防ぐためにオイルが塗られていますが、オイルは時間が経つと乾いたり劣化したりするため塗り直す必要があります。オーバーホールではこのオイルの塗り直しも行うため、オイルの劣化による不具合の発生も未然に防ぐことが可能になります。
腕時計のオーバーホール、推奨頻度とかかる期間について
オーバーホールの推奨頻度は、機械式時計で3~5年に1度、クォーツ時計で4年に1度と言われています。しかしこれは問題なく使えている場合であり、腕時計の動作や操作に違和感がある場合は、なるべく早くオーバーホールを依頼することをおすすめしています。
またオーバーホールを依頼してから完了して戻ってくるまでの期間は、依頼先によってまちまちです。ブルガリの正規メーカー店であれば、6~8週間、時計修理専門店では4~6週間と言われています。こちらの修理期間に加えて部品の交換や取り寄せが発生した場合は、さらに長く時間がかかることもあります。
クォーツ時計にもオーバーホールは必要
「オーバーホールは機械式時計だけでよい」との間違った認識を持たれている方がいらっしゃいますが、クォーツ時計にもオーバーホールは必要です。たしかに、ムーブメントの部品で動いている機械式時計と違い、クォーツ時計は電池と電子回路で動いています。
そのため、部品やオイルなどの心配がないからオーバーホールは必要はないと感じるのも無理はありません。しかしクォーツ時計にも針を動かす部分は歯車が使われるなど、機械式時計と同じ様な部品が使われています。そのためクォーツ時計であっても、定期的なオーバーホールが推奨されています。
ブルガリのオーバーホールの依頼先
ブルガリの腕時計に関するオーバーホールの依頼先は、大きくブルガリの正規メーカーと、時計修理専門店があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを見てみましょう。
ブルガリ正規店
ブルガリの正規店、いわゆるメーカーにオーバーホールを依頼する方法です。全国のブルガリブティックまたは正規の輸入代理店を通して依頼するのが基本となります。ブルガリ正規店の特徴は、メーカーならではの安心がある点です。高級ブランドで多々見受けられる、並行輸入店で購入した時計のメンテナンスを受け付けていない・価格が高いといった、いわゆる並行差別はなく、正規品と同等の価格・サービスを受けることができます。
また、オーバオール・修理完了後2年間の保証がつくため、保証期間内に通常使用による不具合があった場合は無料で対応してもらえます。
高い技術を持つブルガリ正規店のオーバーホール・修理を受けられるため安心感がある一方、時計修理専門店よりも価格は高めで、納期も長い傾向にあります。納期は通常のオーバーホールのみであれば、6~8週間。部品交換や本国からの取り寄せなどになった場合は、さらに時間がかかるため、時間には余裕を持って依頼することをおすすめいたします。
時計修理専門店
時計修理専門店は、時計修理を専門に行う時計工房にオーバーホールを依頼する方法です。メーカーの価格の5~7割程度と価格が安く、納期も早いというメリットがあります。また店舗によってはメーカーと同等の技術や設備を持っているため、価格を抑えて優れた技術・サービスを受けることができます。
一方、時計修理専門店は数が多く店舗によって品質に差があるため、優良な時計修理店を見極める必要があります。納期は、店舗によって異なりますが一般的には4~6週間程度で、部品交換や取り寄せの場合、これよりも時間がかかります。
K’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理
K’s factory(ケイズファクトリー)では、時計専門店様から数多くの難しい依頼を受けてきた経験豊富な技術者が皆様のご愛用の腕時計を的確に診断・修理いたしております。また、ほぼ全ての修理工程を自社工房内で完結しており、厳重なセキュリティシステムで責任をもって皆様の大切な腕時計をお預かりしております。
内部(ムーブメント)のオーバーホールはもちろんのこと、外装部の点検・修理なども含めたトータル修理も賜っております。一部修理後のご相談やベルトの交換などのご依頼も対応しておりますので、ぜひK’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理をご活用ください!
ブルガリのオーバーホールの料金はいくらかかるか
ブルガリのオーバーホールを依頼する上で気になるのが、料金がいくらかかるのかというところでしょう。ここではブルガリ正規店と民間の時計修理専門店の費用をご紹介します。
ブルガリ正規店の費用
ブルガリ正規店で依頼した場合の費用は次のとおりです。
時計のタイプ | 料金 |
クオーツ | ¥42,900~¥50,600 |
クロノグラフ搭載のクオーツ | ¥52,800~¥60,500 |
手巻き/自動巻き | ¥55,000~¥84,700 |
クロノグラフ搭載の手巻き/自動巻き | ¥79,200~¥86,900 |
極薄オクト フィニッシモおよび複雑機構 | ¥151,800~ ¥400,400 |
グランド ソヌリおよびミニッツ リピーター、ハイジュエリー、ビンテージ | 要見積り |
ブルガリの正規店では、オーバーホールをコンプリートサービスとして対応しています。コンプリートサービスには、ケース・ブレスレットのポリッシング(磨き)や防水テストなども含まれています。時計についた細かい傷が気になる方は、コンプリートサービス依頼時に磨きも依頼すると良いでしょう。
ただし、磨きは表面を削るため何度も行っているとケースが細くなり耐久性が弱まる、ケース痩せという現象が起こってしまうため、やりすぎないように注意しましょう。また、上記の費用はオーバーホールの基本料金のみのため、部品交換や修理が発生した場合は、別途費用がかかります。見積では上記の価格よりも高くなる可能性がある点注意が必要です。
時計修理専門店の費用
時計修理専門店の費用は、店舗によって価格が違うためこちらでは平均的な価格をご紹介します。
時計のタイプ | 料金 |
クオーツ | ¥20,000~¥30,000 |
クロノグラフ搭載のクオーツ | ¥30,000~¥35,000 |
手巻き/自動巻き | ¥26,000~¥31,000 |
クロノグラフ搭載の手巻き/自動巻き | ¥38,000~¥43,000 |
極薄オクト フィニッシモおよび複雑機構 | 要見積り |
グランド ソヌリおよびミニッツ リピーター、ハイジュエリー、ビンテージ | 要見積り |
ブルガリのオーバーホールを時計修理専門店に依頼した場合、店舗によってオーバーホール以外の対応範囲が異なりますが、多くの時計修理専門店はポリッシング(磨き)はオプションサービスとなっています。磨きの料金は平均で10,000円~20,000円前後で、オーバーホールと一緒に依頼することで料金が割引になる店舗もあります。
上記の費用はオーバーホールの基本料金となるため、部品交換や修理が発生した場合には別途費用が上乗せされるため、見積ではこちらの価格よりも高くなる可能性もあります。時計の動きや操作に違和感がある、止まっているといった場合には、早めにプロに鑑定してもらい修理にかかる費用を見積してもらうことをおすすめいたします。
オーバーホール以外の修理代金の目安(時計修理専門店)
オーバーホール以外の修理に関して、ブルガリの腕時計の場合どのくらいの料金がかかるのでしょうか。ここではオーバーホール以外に修理依頼されることが多い内容の料金についてご紹介します。
ベルト交換・修理
ブルガリのベルト交換は、ベルト本体の価格と技術料や調整費用が発生します。時計修理専門店では技術料が2,000~4,000円、ベルトの費用が純正ベルトで30,000円~、社外ベルトで5,000~30,000円となっています。ベルトは、ラバーベルトや牛革、ワニ革などの種類によって価格が変わってきます。金属ブレスレットの場合、これよりも費用は高くなる傾向にあります。
また、一部の時計修理専門店ではベルトのクラスプ(留具部分)の溶接に対応しているところもあります。専門の設備と高度な技術が必要なため対応できる店舗は少ないですが、クラスプが壊れて困っている方は、こうした時計修理専門店に依頼すると良いでしょう。
ガラス割れ
時計のガラスが割れてしまった場合、新たにガラスを交換する必要があります。ガラス割れの修理費用は、10,000~30,000円程度でサファイアガラスだとさらに高額となります。ガラスは「プラスチック風防」と「ミネラルガラス」「サファイアガラス」の3種類があります。プラスチック風防は価格が安いため低価格帯の時計に使われており、サファイアガラスは硬度が高く高級感もあるため上位モデルに使われる傾向があります。
プラスチック風防は10,000円以内で収まることもありますが、現在主流となっているミネラルガラス、サファイアガラスでは20,000円以上かかるのが一般的です。また、ガラスが割れてしまうほどの衝撃を時計が受けた場合、ガラス以外も修理が必要になってくることがほとんどです。オーバーホール代金に加えて、こういった修理費もかかるということを念頭に置いておきましょう。
リューズ破損
リューズを引いたら取れてしまった、ぶつけて折れてしまったという依頼も多くあります。リューズの破損は、20,000~30,000円かかります。リューズの破損は、リューズと巻真部分が取れてしまう、折れてしまう、変形して動かせなくなるといった複数の症状が考えられるため、それぞれ状況やモデルに応じて価格が異なります。
また、リューズが重くて巻き上がらないという場合は、リューズではなく内部のムーブメントのオイルが切れているといった原因が考えられます。これは実際に時計を開けて内部を点検してみないと原因の特定はできないため、まずは見積を依頼するようにしましょう。
優良な時計修理店の選び方
ブルガリのオーバーホールを時計修理専門店に依頼する際には店舗によって品質の差があるため、優良な時計修理店を見極める必要があります。ここでは優良な時計修理店の見極め方をご紹介します。
ブルガリのオーバーホール実績は豊富か
まずは、時計修理店のオーバーホール実績を確認しましょう。優良な時計修理店は、豊富なオーバーホール実績があり、口コミや評価が高くリピーターも多い傾向にあります。また設備が整っているため修理対応範囲が広く、他店ではできないような修理にも対応できる傾向にあります。時計修理店の公式サイトをチェックし、年間何本くらい対応実績があるのか、また修理範囲を確認してみると良いでしょう。
資格を持った技術者が在籍しているか
時計修理には、国家資格である時計修理技能士やWOSTEPといった資格が存在します。こうした資格は、知識だけでなく時計技師としての経験年数が求められるなど、取得の難易度は非常に高いと言われています。そのためこうした資格を持った技術者が在籍しているということは、それだけ高い技術を提供できる店舗であるといえます。
また、価格が平均よりも安い時計修理店では資格を持たないパートやアルバイトといったスタッフが対応することもあります。大切な時計を安心して任せたいという方は、資格を持った技術者が在籍している店舗に依頼するようにしましょう。
修理後の保証はついているか
オーバーホール・修理後に使っていて不具合が生じた場合、保証がない店舗では修理費用を実費で払わなければいけません。そのため、修理後の保証がついている店舗に依頼することをおすすめしています。通常使用による不具合であれば、無料で修理対応してもらえます。一般的な店舗では、半年~1年の修理保証がついています。
まとめ
ブルガリのオーバーホールは、定期的なメンテナンスとして機械式時計は3~5年に1度、クォーツ時計は4年に1度が推奨されています。依頼方法は、ブルガリ正規店か民間の時計修理専門店があります。正規店は費用が高く納期も長い傾向があり、民間の時計修理店では正規店よりも価格が安く納期も短いですが、店舗によって品質に差があるため優良店に依頼するようにしましょう。
優良店舗は実績が豊富、資格を持った技術者が在籍している、修理後の保証があるといった特徴があります。価格の安さだけで決めてしまい後悔の残るオーバーホールを避けるためにも、必ず上記の特徴を持った優良店舗に依頼するようにしましょう。