Jaeger-LeCoultre マスターウルトラスリム、修理のポイント
今回はジャガールクルトのマスターウルトラスリムをお修理いたしました。
1.遅れの原因
遅れの原因としては、経年による油の劣化でした。
前回オーバーホールをされたのが、約5年前とのことでしたのでちょうどオーバーホールが推奨される時期ですね。
今回は特に部品の傷み等はなくパーツ交換の必要がありませんでした。
2.オーバーホール
時計の診断が終わりましたので中身を取り出し、オーバーホール(分解掃除)をしていきます。
機械を分解しながら事前の動作チェックでは見えなかったところに摩耗や変形がないかを確認していきます。
機械の分解が終わり、パーツに異常がないことを確認できましたので洗浄機にセットし、パーツを洗浄します。
外した文字盤や針は、修理中に擦れてキズが付かないよう別のケースで保管しています。
洗浄後は各部に油を注油しながら組み立てます。
機械の組み立て後はケースに組み込み、ビブロテスターを使用し精度を調整します。
制度の調整が完了したらファイナルテスターにセットし、ランニングテストを行い問題がなければ納品となります。
3.外装の研磨
このモデルの外装はとても薄く作られている為、ケースに負荷がかからないように注意しながら研磨をします。
研磨後は白みがかっていた部分がきれいになり、シャープな印象となりました。
ウラブタ面も刻印が消えてしまわないよう丁寧にマスキング(保護)をし、研磨をしました。
この部分を他の場所と同じように研磨をすると刻印ぶが波打ったような状態になり、見栄えも悪くなってしまいますので技術者の経験が特に必要な箇所となります。
尾錠部分もしっかりと研磨をすることで新品のような仕上がりとなりました。
まとめ
今回のお時計は薄型モデルだった為、特に慎重に作業をさせていただきました。
外装は特に大きな打痕等もなかったことから、研磨のみで新品のような仕上がりになりました。
定期的にメンテナンス(オーバーホール)をしていただいていたこともあり、内部パーツの破損等も見られずオーバーホールの作業のみで修理完了となりました。
ジャガールクルトのお修理をご検討中でしたら是非ケイズファクトリーにお任せください。