タグホイヤーのオーバーホールはどこに依頼する?【正規サービスと修理専門店それぞれを解説】

タグホイヤーは、1860年にスイスで創業された時計ブランドです。日本でも愛用している人は多く、スポーティなデザインと高い機能性が魅力です。

そんなタグホイヤーの時計も、長期間にわたり使用すると劣化が進み、時計の調子が悪くなる可能性があります。そのため、定期的にオーバーホールする必要があります。

しかし、修理を依頼するにしても、「タグホイヤーの正規サービス」か、「修理専門店」でもよいのか悩むかもしれません。

そこでこの記事では、タグホイヤーのオーバーホールをどこに依頼すればよいかをメインに解説していきます。

この記事を読めば、以下のようなメリットがあります。

・修理におけるタグホイヤーと他ブランドの違いが分かる

・正規サービスと修理専門店のメリットについてわかる

・修理依頼をどこに頼んだらいいかの情報を得られる

少しでも長くタグホイヤーの時計を愛用したいと考えているかたに、役立てればと思います。

オーバーホールとは?

オーバーホールとは、時計を正常に使用するためになくてはならない作業です。

時計を購入してから長期間が経過すると、ムーブメントの部品が摩耗したり、油が切れてしまいます。そうなると、時計を正常に使用できなくなり、最悪の場合は時計が動かなくなります。時計としての機能を完全に果たせなくなってしまう前に、ムーブメントを点検・調整して、必要に応じた処置を施さなければなりません。

具体的には、以下の様な症状が出たら、オーバーホールに出した方が良いでしょう。

・時刻が大幅に遅れる(進む)

・機械式時計の持続時間が短くなった

・カレンダーの切り替えがスムーズにできない

・内部からカタカタと異音がする

時計のオーバーホールは、定期的なメンテナンスとして少しでも長く時計を愛用するための重要な作業です。

タグホイヤーのオーバーホールが他ブランドと違う理由

時計のオーバーホールの料金や納期は、ブランドによって変わります。

では、タグホイヤーと他ブランドでは、なにが原因で変わってくるのでしょうか?タグホイヤーのブランドとしての特徴や、独自のサービスなどをピックアップして、解説していきます。

スイス製の高級時計ブランド

タグホイヤーはスイス製の高級時計ブランドであるため、オーバーホールの料金が高額になります。

スイス製の時計は「SWISS MADE」と表記されており、タグホイヤーの時計にも表記されています。しかし、どんな時計にも表記できるわけではありません。厳格な品質管理基準をクリアし、スイス国内で製造された時計にのみ許されます。

高い精度や機能を有しているため、熟練の技術をもった職人に、適切な工具や設備がないと修理するのは難しいのです。

スイス製の時計はタグホイヤーに限りませんが、一般的には高額の部類に入ることは間違いありません。

「エドワードクラブ」と「マイタグホイヤー」

タグホイヤーの独自サービスに、「エドワードクラブ」というものがありました。2012年12月から日本のみで始まり、保証が2年の延長で4年になったり、修理費用が安くなるといったアフターサービスに特化した内容です。しかし、2022年5月からは「マイタグホイヤー」というサービスに切り替えられています。

「マイタグホイヤー」のサービスは以下になります

・国際保証が2年から5年に延長される

・登録した時計に関する情報にアクセスできる

・修理に出した時計の進捗状況を確認できる

オーバーホールするにあたり、保証の延長は費用の面でメリットになります。登録した時計の情報や、修理に出した際の進捗を確認できるのは安心です。

タグホイヤーのオーバーホールを正規サービスに依頼する【コンプリートサービス】

タグホイヤーではオーバーホールに様々な修理内容をプラスした、「コンプリートサービス」という正規サービスを提供しています。

時間の経過によって劣化したムーブメントを分解し、洗浄から部品交換をします。さらに、外装や性能の管理、防水性の確保に至るまでの網羅的な修理内容です。

コンプリートサービスをすることで、タグホイヤーの高い機能性とデザインをより長く楽しめます。

機能別の費用

料金に関しては、時計の機能によって変わってきます。

電池で動くクォーツ時計は、一見オーバーホールを必要としなさそうですが、機械式と同様に歯車で針を動かす機構になっています。注油しないと時刻の大幅な誤差につながるので、定期的にオーバーホールしなければいけません。

そして、クォーツ時計も機械式時計も、クロノグラフになると値段が上がります。クロノグラフにはストップウォッチ機能がプラスされているぶん、部品と共に点検や調整の作業も増えます。それにより、オーバーホールの料金も上がってしまうのです。

以下は、タグホイヤーの正規サービスに依頼した場合のオーバーホール料金です。

『クォーツ3針』:36,300円 (33,000円)

『クォーツクロノグラフ』:44,000円 (39,600円)

『機械式3針』:48,400円 (44,000円)

『機械式クロノグラフ』:56,100円 (50,600円)

※(2023年4月時点の料金)

※()内はエドワードクラブ会員価格で2024年5月31日まで

ヴィンテージや、より特殊なモデルの時計に関しては、見積もりに出さないと料金は確定できません。

ヴィンテージ時計は製造から長期間が経過しており、部品の確保が困難になることが多いのです。必要な部品も実際に時計を見るまで分からないので、ヴィンテージ時計は見積もり対応となります。

高精度な時計に関しては、大まかな時計の機能というよりは、モデルごとで値段が変わります。オーバーホール後の調整にも時間や労力を要するため、こちらも見積もりに出すまで値段は確定できません。

修理期間

タグホイヤーの修理期間は、約3週間です。ただしこれは目安の期間で、事情によって異なってくる場合があります。

例えば、時計のムーブメントで部品交換が必要になった場合、その部品を本国であるスイスから取りよせることがあります。そうなると、長くて数ヶ月の期間を設けることもあるのです。

外装はともかく、ムーブメントの部品交換が必要かどうかは、オーバーホールの作業中に発覚することが大半です。納期が3週間と思っていたら、いきなりプラス1〜2ヶ月の見積もりが出ることもあります。

使用している時計を長期間にわたって手放すのは、日常生活に支障をきたすので、事前の確認が必要です。

コンプリートサービスの依頼方法

タグホイヤーの正規サービスを依頼する方法は「全国にあるタグホイヤーの直営店で依頼する」か「タグホイヤーのカスタマーサービスに郵送する」の、主に2つです。

タグホイヤーの直営店に持ち込めば、その場でスタッフに時計の症状について相談できます。販売のスタッフでも、修理受付するにあたって最低限の知識を持っていますので、相談したうえで安心して依頼できます。

忙しかったりタグホイヤーの直営店が近くにない場合は、カスタマーサービスへ郵送するのも1つの手段です。もし保証内の修理なら、国際保証書を同封するのを忘れてはいけません。

オーバーホール以外の修理について

タグホイヤーの正規サービスには、「コンプリートサービス」以外にも様々なサービスが提供されています。

・メンテナンスサービス

・バッテリー交換

・ヴィンテージ時計の復元

・コネクテッドウォッチサービス

これ以外に、ガラスやバンド交換などの外装部品の修理も有償で受け付けています。正規サービスだけあって、タグホイヤーの時計を長く愛用するためのアフターサービスは充実しています。

タグホイヤーのオーバーホールを修理専門店に依頼するメリット

時計の修理風景
時計の修理風景

オーバーホールを正規サービスではなく、修理専門店に依頼するという手段もあります。

タグホイヤーは人気ブランドなので、民間の修理業者に修理実績があるところも多く存在します。マイナーブランドで実績がないと不安がありますが、タグホイヤーなら安心して任せられます。

さらに、正規サービスにはないメリットが発生することもあります。

料金を削減できる

修理専門店なら、正規サービスに比べてオーバーホールの料金を削減できます。

タグホイヤーの正規サービスは、スイスメイドの厳格な品質管理を維持するために、ハイスキルな人材や高品質なパーツの確保に経費をかけています。修理専門店はあくまで正規サービスに比べてですが、人件費も抑えられており、パーツの確保も代替品などで安く抑えられることもあります。

プレゼントや譲ってもらったなどの理由で、修理に対する情報がないということもあります。いざオーバーホールするとなったときに、あまりの高額に修理を断念するということもあるかもしれません。

そんなとき修理専門店に持ち込めば、オーバーホール料金を安価に抑えることが可能になるのです。

納期が早い

修理専門店に依頼すると、納期が早くなります。

タグホイヤーは海外メーカーなので、部品をスイスから取り寄せることがあります。また、古いモデルなど国内で対応できないものは、スイスの工場に送ることになります。その場合は、数ヶ月の納期となる場合もあるのです。

しかし修理専門店なら、国内の自社工場で完結させられます。

修理内容や、修理店の混雑具合などで変動しますが、正規サービスよりも納期が早くなる可能性は高くなります。

部品を製作できる

修理専門店なら、熟練の修理技師によって部品を製作できます。

モデルによっては、正規サービスですら部品の確保が出来ないことがあります。しかし、修理専門店ならイチからパーツを製作して、代替品として使用できます。

タグホイヤーのような高精度な時計は、ムーブメントにも精密な部品が使われています。優秀で経験豊富な職人なら、再現して修理することは可能です。

料金と納期がプラスになることもありますが、少しでも長く愛用するための必要経費と割り切って任せてみるのも良いでしょう。

時計修理専門店:K’s factory(ケイズファクトリー)

K’s factory(ケイズファクトリー)では、時計専門店様から数多くの難しい依頼を受けてきた経験豊富な技術者が皆様のご愛用の腕時計を的確に診断・修理いたしております。また、ほぼ全ての修理工程を自社工房内で完結しており、厳重なセキュリティシステムで責任をもって皆様の大切な腕時計をお預かりしておりますので、ぜひK’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理をご活用ください!

タグホイヤーのオーバーホールを依頼する専門店の選び方3選

腕時計修理店

タグホイヤーの正規サービスは窓口が限られていますが、修理専門店となると数が多くなります。オーバーホールを依頼するにしても、下調べなしで選ぶことはオススメできません。さまざまな修理専門店があるぶん、サービスの内容やクオリティが均一ではないからです。

「安くて早いならどこでもいい」という理由で選んでしまい、たまたま質の悪い修理専門店を選んでしまっては後悔することになります。

大事な時計を満足のいく仕上がりにしてもらうためにも、多角的な視点で修理専門店を選ぶ必要があります。

1、技術力がある

時計の修理専門店を選ぶ大前提は、やはり職人の技術力です。技術力を計る目安として、「時計修理技能士1級」の資格を保有している職人が在籍しているか確認しましょう。

「時計修理技能士」は、時計修理に関する国家資格で、機械式時計のオーバーホールができるのは1級のみです。初めて依頼するにあたっても、信頼性を担保する目安になります。

高精度なタグホイヤーの時計を任せるので、技術力があるかどうかを職人の保有している資格で確認しましょう。

2、修理の実績を確認する

依頼したい店のホームページで、オーバーホールの修理実績があれば確認しましょう。

修理専門店のホームページには、過去の修理実績を詳細に掲載しているところも多くあり、具体的には以下のような情報があります。

・修理後の写真

・修理料金

・納期

・持ち込んだときの症状

・修理の内容の解説

料金や納期はもちろん、具体的な症状からの修理の流れも知れると、自分が修理に出すときの参考にできます。

ネットの評判を参考にする

店選びをする際に、ネットの評判を参考にするという方法もあります。

ネットの評判というのは、その店のサービスを利用した人のリアルな体験談です。修理する技術はもちろん、接客なども含めたその店のサービスを網羅的に知りたい場合は、参考になります。

ただし、ネットは不特定多数の人間が匿名で書き込めます。鵜呑みにし過ぎず、あくまでも参考程度に止めましょう。

まとめ

タグホイヤーはスイスメイドのブランド力と、「マイタグホイヤー」という独自のサービスによって、他ブランドと差別化を図っています。それにより料金が高くなったり、納期が遅くなる可能性がありますが、それを補うほどの安心と信頼性があります。

しかし、ランニングコストであるオーバーホール料金を少しでも抑えたい人には、修理専門店もおすすめです。納期も早くなりますし、熟練の職人によって問題なく作業が進められます。

店選びはいい加減にせず、キチンと精査しましょう。

・技術力

・修理実績

・ネットの評判

を参考にして、安心して依頼できる店を探してみてください。

選択肢は様々ありますが、自分に合った依頼先を選び、タグホイヤーの時計を長く楽しんでください。

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