「ブレゲのオーバーホールの依頼方法が知りたい」
「ブレゲの腕時計のオーバーホール料金と納期が知りたい」
「ブレゲの腕時計のオーバーホールを依頼するにあたって注意点があれば知りたい」
この記事は、上記のような疑問に応えていく内容となっています。
ブレゲは1775年にフランスで、”世界一著名な時計師”と称される天才「アブラアン・ルイ・ブレゲ」によって創業されました。
ブレゲは、”時計界の進化を2世紀早めた”と言われる天才時計師で、数多くの発明を成し遂げました。
1780年:「ペルペチュエル」=錘(おもり)の振動で駆動ゼンマイを巻き上げる自動巻き機構
1795年:「永久カレンダー」=月の日数の違いやうるう年に至るまで日付の調整を自動で行う
1801年:「トゥールビヨン」=機械式脱進機構を回転させて重力の影響を減らすことにより精度の安定を図る
上記のような時計の歴史に残る機構を開発し、時計ブランドとして絶大な支持を得ていました。
そんなブレゲの腕時計でも、使用していれば経年劣化が発生します。
ムーブメントに使用している潤滑油が乾燥することにより、精度に悪影響を及ぼすのです。
放置すれば、潤滑油の乾燥による摩擦でパーツが破損してしまいます。
定期的にムーブメントの洗浄・注油をすることで、本来の機能と精度を維持できます。
この記事では、ブレゲの腕時計のオーバーホールについて、料金や依頼方法、依頼するにあたっての注意点など解説していきます。
最後まで読んでいただくと、以下のようなメリットがあります。
「ブレゲのオーバーホールの依頼方法がわかる」
「ブレゲの腕時計のオーバーホール料金と納期がわかる」
「ブレゲのオーバーホールを依頼するにあたっての注意点がわかる」
ぜひこの記事を参考に、ブレゲのオーバーホールを実施してみてください。
ブレゲのオーバーホールの依頼方法
ブレゲのオーバーホールを依頼するにあたって、「依頼先」と「依頼方法」を知る必要があります。
それぞれを詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。
ブレゲの正規サービス
ブレゲは腕時計グループの1つである、「スウォッチグループ」に所属しています。
そのためオーバーホールを依頼すると、「スウォッチグループジャパン」のカスタマーサービスにて実施されます。
詳しくはこちらの「ブレゲ時計修理」のページをご参照ください。
正規サービスでは、スイス本社で認定を受けた技術者が作業を行います。
高機能なブレゲのオーバーホールを、確かな品質で仕上げてくれるのです。
正規サービスの依頼方法
ブレゲの正規サービスには、2通りの依頼方法があります。
〈来店受付〉
全国にある「スウォッチグループジャパン」のカスタマーサービス・サービスセンター、もしくはブレゲの正規販売店に腕時計を持ち込む依頼方法です。
・東京カスタマーサービス
・大阪カスタマーサービス
・札幌時計サービスセンター
・中部時計サービスセンター(名古屋)
・スイス時計サービスセンター(福岡)
・ブレゲの正規販売店
ブレゲのスタッフに直接相談しながら依頼する事が出来ます。
〈無料ピックアップサービス〉
何らかの事情で来店できない場合は、無料で腕時計を送付できるサービスもあります。
専用Webサイトで申し込むと、2週間以内に指定の場所まで梱包材が届けられます。
あとは届いた梱包材に腕時計を包んで、修理工房まで送るだけです。
梱包材と往復の配送料が無料なので、来店の手間なく気軽にオーバーホールが依頼できます。
腕時計の修理専門店
正規サービス以外だと、腕時計の修理専門店も依頼対象となります。
オーバーホールはもちろん、腕時計のあらゆる修理に対応してくれます。
事業者数・店舗数数が多いため、正規サービスの依頼窓口が最寄に無い場合でも、来店受付がしやすくなっています。
修理専門店には、あらゆる腕時計ブランドの修理に精通した、熟練のプロが在籍しています。
修理の仕上がりに関しても、正規サービスと遜色ありません。
より安心感を得たいなら、Webサイトなどで下記の2点をチェックしてみましょう。
①在籍しているスタッフが「腕時計修理技能士1級」など高度な専門資格を保有している
②ブレゲの修理実績が豊富
時計修理店のWebサイトなどを訪問する際は、修理実績や確かな技術力を持っているか、という視点で見ていきましょう。
修理専門店の依頼方法
修理専門店も、正規サービスとほぼ同様の依頼内容となっています。
〈来店受付〉
修理専門店に来店して、直接スタッフに修理を依頼する方法です。
正規サービスとの違いは、数の多さです。日本全国に多数の修理専門店があるので、来店のしやすさが違います。
自宅の近所や通勤ルートに依頼したい修理専門店が見つかれば、気軽に立ち寄れます。
〈配送サービス〉
正規サービスにもありますが、一部の修理専門店でも配送サービスを実施しており、手順もほとんど変わりません。
主にネットから申し込んで、届いた配送キットに腕時計を入れて送り返すだけです。
頼みたいと思った修理専門店が遠方でも、配送サービスを実施していればオーバーホールが依頼できるのです。
時計修理専門店:K’s factory(ケイズファクトリー)
K’s factory(ケイズファクトリー)では、時計専門店様から数多くの難しい依頼を受けてきた経験豊富な技術者が皆様のご愛用の腕時計を的確に診断・修理いたしております。また、ほぼ全ての修理工程を自社工房内で完結しており、厳重なセキュリティシステムで責任をもって皆様の大切な腕時計をお預かりしておりますので、ぜひK’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理をご活用ください!
ブレゲの腕時計のオーバーホール料金と納期
ブレゲのオーバーホールで気になるのは、やはり料金です。
ブレゲの腕時計は高機能で、非常に複雑な作りとなっています。制作はもちろん、オーバーホール作業も非常に高度な技術を要するのです。
そのため、必然的にオーバーホール料金もそれなりに高額となります。
ここでは、ブレゲのオーバーホール料金と納期を、依頼先別に紹介します。
正規サービスのオーバーホール料金
機構 | オーバーホール料金 |
---|---|
シンプル手巻き | ¥107,800(¥98,000) |
シンプル自動巻き | ¥132,000(¥120,000) |
ミドルコンプリケーション | ¥176,000(¥160,000) |
クロノグラフ | ¥200,200(¥182,000) |
クラシック(ロシア皇帝ツァーリの目覚め)モデル アラーム付き自動巻 インディペンデントクロノグラフ | ¥278,300(¥253,000) |
パーペチュアルカレンダー スプリットセコンド | ¥310,200(¥282,000) |
シンプルトゥールビヨン 付加機能付きトゥールビヨン イクエーション | ¥434,500(¥395,000) |
ミニッツリピーター ハイコンプリケーション ハイジュエリー アンティークウォッチ 修復 | スイス本社での見積もり |
※2023年10月現在
最も安いのが「シンプル手巻き」の10万円前後である事から見ても、非常に高額です。
しかし、専用の工房でブレゲの修理ノウハウを身につけた技術者が手掛けます。
当然ながら純正パーツも豊富なので、オーバーホールだけでなく外装面においても万全な状態に修理してくれます。
正規サービスのオーバーホール納期
正規サービスの納期は、約1ヶ月です。これは目安なので、最終的な納期が前後する可能性は大いにあります。
ブレゲの修理工房は数が限られており、全国からの修理品に対応しています。
技術力のあるスタッフと設備が整っていても、それなりに時間はかかるのです。
さらにスイス本社での対応の場合は2〜3ヶ月、長いと6ヶ月〜1年かかる可能性もあります。
上記の料金表にある「スイス本社での見積もり」に該当する機構は、充分な時間の余裕を持って依頼しましょう。
修理専門店のオーバーホール料金と納期
機構 | オーバーホール料金 |
---|---|
シンプル手巻き | 約¥46,200~ |
シンプル自動巻き | 約¥49,500~ |
ミドルコンプリケーション | 約¥55,000~ |
クロノグラフ | 約¥66,000~ |
クラシック(ロシア皇帝ツァーリの目覚め)モデル アラーム付き自動巻, インディペンデントクロノグラフ | 見積もり |
パーペチュアルカレンダー スプリットセコンド | 見積もり |
シンプルトゥールビヨン 付加機能付きトゥールビヨン イクエーション | 見積もり |
ミニッツリピーター ハイコンプリケーション ハイジュエリー アンティークウォッチ 修復 | 見積もり |
※修理専門店によって料金は変動します。
修理専門店の方が、オーバーホール料金は割安になります。
正規サービスの「コンプリートメンテナンスサービス」には、外装の「ライトポリッシュ」や、必要に応じたパーツ交換も含まれます。
修理専門店では、それらが含まれないオーバーホール作業のみなので、料金も安くなるのです。
しかし、複雑な機構に関しては見積もり対応が多くなります。ムーブメントが自社生産なので、パーツの入手が困難であることなどが理由となります。
修理専門店のオーバーホール納期
オーバーホール料金と同様に、正規サービスよりも早い3〜4週間の納期となります。
作業内容の違いもありますが、修理専門店は企業から個人店まで様々な規模があります。
規模の小さい修理専門店だと、店舗に修理工房が併設されています。店舗から修理工房への送付がない分、スピーディーな対応が可能なのです。
ただ正規サービスと同様に、大型連休になると工房がストップすることもあります。事前に確認して、時間に余裕を持ちましょう。
オーバーホールの頻度について
オーバーホールを何年おきに依頼するかも重要で、ブレゲの公式では5年前後を推奨しています。
基本的にこの期間は、ムーブメントのパーツに使用される潤滑油の耐用年数です。
この期間内にオーバーホールをすれば、腕時計の故障を防いで寿命を伸ばすことにつながります。
明らかな不具合が無ければ、なかなか修理には出しにくいものです。
しかし、見えない時計内部では思った以上に劣化が進行している可能性があります。
なるべく公式が推奨する頻度で、オーバーホールを依頼しましょう。
ブレゲの腕時計のオーバーホールにおける2つの注意点
腕時計のオーバーホールを依頼するにあたって、なにか注意点があれば把握しておくに越したことはありません。
依頼先別で以下の2点に注意が必要です。
正規サービスの注意点:永久修理ができない
修理専門店の注意点:正規サービスの修理保証が受けられなくなる
それぞれを詳しく解説していきます。
正規サービスの注意点:永久修理ができない
ブレゲの正規サービスは、高級時計のメンテナンスで聞かれる「永久修理」はできません。
永久修理とは、ブランドが存続している限り、創業当時からの全モデルの修理に対応してくれるサービスのことです。
しかし、創業当時まではいかなくとも、ブレゲはアンティークモデルに対応してくれます。
スイス本社の対応になりますが、時間をかけてでも修理してほしい場合は相談してみましょう。
もしそれでも無理だったら、修理専門店に依頼するのも1つの手段です。
技術力の高い修理専門店なら、アンティーク時計の修復やパーツの制作からの修理ができます。
そのような修理専門店を探して、一度相談してみるのも良いでしょう。
修理専門店の注意点:正規サービスの修理保証が受けられなくなる
正規サービスでオーバーホールをすると、2年間の修理保証が付きます。
しかし、修理専門店でオーバーホールを含めたなんらかの修理作業をしたことが発覚すると、正規サービスの修理保証が受けられなくなるのです。
正規サービスと比べて、料金が安価になるのは修理専門店のメリットです。
しかし、せめて修理保証の期間内は、なにかトラブルが起きても正規サービスに相談しましょう。
ブレゲの腕時計のオーバーホールに並行差別はあるのか?
高級時計ブランドの修理においてよく聞かれるのが、「並行差別」です。
並行差別とは、正規品と並行輸入品における修理対応の違いのことです。
正規品なら通常のオーバーホール料金ですが、並行輸入品だと高額になってしまうなどが挙げられます。
ブレゲにおいても並行差別がないのか、解説していきます。
ブレゲのメンテナンスに並行差別はない
ブレゲの修理は、基本的に並行差別がありません。
ブレゲは世界最大の腕時計ブランドのグループである、「スウォッチグループ」に所属しています。
「スウォッチグループ」では、顧客満足度の観点などから並行差別はしていません。
正規品や並行品に関わらず、公平なメンテナンスサービスを受けられるのです。
まとめ
ブレゲの腕時計のオーバーホールについて、網羅的に解説してきました。
この記事の要点をまとめると、以下になります。
・主な依頼先は「ブレゲの正規サービス」と「腕時計の修理専門店」
・依頼方法は基本的にどちらも「来店受付」か「宅配サービス」
・正規サービスのオーバーホール料金は高額で納期もかかるが外装の研磨などを含めた網羅的なサービスとなる
・修理専門店のオーバーホール料金は安価で納期も早いが店によって変動する
・ブレゲは一部の高級時計ブランドで実施されている「永久修理」ができない
・同じく一部の高級時計ブランドで実施されている「並行差別」はない
・正規サービスの修理保証期間中は修理専門店に依頼しない
「料金と納期がかかってもいいから、外装も含めて新品に近い状態にしてほしい」という方は正規サービス。
「ランニングコストを抑えたい」「外装はセルフメンテナンスするからオーバーホールだけしてほしい」という方は修理専門店が良いでしょう。
どちらに依頼しても腕時計修理のプロが手掛ける以上、クオリティは担保されます。
時計修理のプロに依頼して、ブレゲの腕時計を長期間にわたって愛用してください。