「愛用しているシチズンの腕時計をメンテナンスしたい。」
「シチズンのオーバーホールって、どれぐらいの料金と納期がかかるの?」
「依頼先についての情報がわからないから知りたい。」
シチズン時計は、1918年に前進となる「尚工舎時計研究所」として創業されました。その後、1930年に「市民に親しまれるように」という意味を込めて、日本語で市民という意味の「CITIZEN」を社名としたのです。
シチズンの最大の魅力は、あらゆる世界初の機能を生み出した高い技術力です。
・1976年=アナログ式光発電時計「クリストロンソーラーセル(現在のエコドライブ)」
・1993年=多極受信型電波時計
・2011年=光発電衛星電波時計
これら様々な革新的技術を、時計界にもたらしてきました。特に光で充電する「エコドライブ」と、毎日の電波受信で時刻調整をしてくれる「電波時計」に関しては、今やシチズンの主力となっています。
しかし、いくら高い機能性を持つシチズンの腕時計でも、経年劣化は避けられません。「エコドライブ」の光発電も「電波時計」の多極型受信も、正しく機能しなくなってしまうのです。そのため、定期的なオーバーホールは必須となります。
この記事では、シチズンのオーバーホール料金と納期、主な依頼先である「正規サービス」と「修理専門店」のメリット・デメリットと共に解説していきます。最後まで読むと、以下のようなメリットがあります。
・シチズンのメンテナンスについてわかる
・シチズンのオーバーホール費用と納期についてわかる
・シチズンのオーバーホールの依頼先についてわかる
この記事で得た情報を基に、ぜひオーバーホールを依頼してみてください。
シチズンのオーバーホールについて
シチズンの腕時計は、様々な機能を搭載した「クォーツ式」が主流です。
「エコ・ドライブ」と「電波時計」は、シチズンのブランド力を支えるメインの機能となっています。しかし、オーバーホールと言えば機械式のイメージが強いと思います。クォーツ式にも、オーバーホール作業は必要なのか、また機械式も含め頻度はどれぐらいで行えばいいのかを解説していきます。
シチズンのクォーツ式にもオーバーホールが必要
オーバーホールが必要なのは機械式だけでなく、「エコ・ドライブ」や「電波時計」などの機能を持つシチズンのクォーツ式にも必要です。機械式と同様に歯車で針を動かすので、経年劣化による潤滑油の劣化と、それによる部品の摩耗や破損が発生します。
「エコドライブ」の場合は、充電してもすぐに「2秒運針」という充電不足のサインが出たり、最終的にいくら充電しても動かなくなるなどの不具合が発生したりします。「電波時計」の場合は、電波が受信できなくなり時刻調整が出来なくなるので、通常のクォーツの精度となってしまい、電波時計としてのメリットが失われる等の不具合が想定されます。
シチズンの高い機能性を継続させるためにも、クォーツ式でもオーバーホールは必要なのです。
オーバーホールの頻度
オーバーホールの頻度は、機械式なら3〜5年、クォーツ式なら4〜5年が理想です。
内部の各パーツには、スムーズに動かすための潤滑油が塗布されています。何のメンテナンスもしないままだと、乾燥や固着などの劣化が発生してしまうのです。劣化が原因で、潤滑油としての機能が発揮できず、ムーブメントの摩耗が大きくなってしまいます。結果的に、腕時計の大幅な時刻ズレや、最悪の場合はパーツの破損につながります。
日常的な使用において明確な不具合が出てくるので、機械式は3〜5年の頻度で定期的にオーバーホールを行なう必要があるのです。クォーツ式は機械式にくらべて内部の部品が少ないのですが、それでも4〜5年の頻度でオーバーホールを検討しましょう。
シチズンのオーバーホール料金と納期【正規サービスと修理専門店】
依頼するにあたり、オーバーホール料金が一番気になるポイントかと思います。オーバーホール作業は、数ある腕時計のメンテナンスの中でも料金が高いうえに、定期的に行う必要があります。パーツ交換などが入ると、更にプラスとなるのです。
ここでは、シチズンのオーバーホール料金と納期を、正規サービスと修理専門店の依頼先から紹介します。
正規サービスのオーバーホール料金
・クォーツ式(エコドライブ):15,400円~
・電波時計:19,800円~
・機械式:19,800円~
・納期:3~4週間
シチズンのオーバーホールは、「内装修理」という名目になります。分解から組み立てまでのオーバーホール作業はもちろん、「防水検査」に「防水パーツの交換」と、エコドライブの充電に必要な「二次電池交換」の費用も含まれます。故障の原因が詳しく知りたいときには、受付時に伝えれば調査依頼も可能です。
納期は3〜4週間ですが、お盆や年末年始などは工場が稼働しません。2週間近くプラスになるので、より時間に余裕を持って依頼しましょう。
修理専門店のオーバーホール料金
・クォーツ式:11,000円~
・機械式:13,200円~
・クロノグラフ:13,200円~
・納期:2~3週間
修理専門店は多くあるので、あくまで料金相場となります。正規サービスと比べても料金が割安で、納期も早めになります。ただし、修理専門店は全国的にも数が多く、料金と納期にバラツキがあります。Webサイトを確認して、自分にとって納得できる料金設定や納期の修理専門店に依頼するのが良いでしょう。
オーバーホールは定期的に行う必要がありますので、ランニングコストを押さえたいなら修理専門店が最適です。
シチズンのオーバーホールを正規サービスに依頼するメリットとデメリット
シチズンのオーバーホールを依頼するにあたって、正規サービスが候補に挙がるかと思います。しかし、具体的に正規サービスのオーバーホールにどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、シチズンのオーバーホールを正規サービスに依頼する際の、メリットとデメリットについて解説していきます。
メリット①:自社商品だからこその安心感
修理専門店と比べて、シチズンの少し割高な料金は「信頼」の証です。
シチズンの正規サービスは、全国から毎日送られるシチズンのメンテナンスに対応しています。純正パーツの使用と専用の修理センターに、技術の高い多くのスタッフも常に抱える必要があります。自社商品ならではの修理ノウハウを活かした作業と、それを実現させるための体制作りにコストが掛かるのです。
料金と納期が掛かってでも「安心感」を優先したいなら、シチズンの正規サービスを検討しましょう。
メリット②:独自の会員制サービスがある
通常の保証は1年間ですが、「MY CITIZEN(マイシチズン)」という会員制サービスに登録すると1年間延長となり、合計2年間になります。シチズン製品を購入すると、専用のウェブサイトから登録できるのです。
ムーブメントや、金属バンドの自然故障に関しては、購入日から2年以内なら保証修理を受けられます。延長保証の他にも「サイトでの買い物」や「ウェブ修理依頼」などの、特別なサービスが受けられるのです。
デメリット:パーツの保有期限が過ぎると修理不可になる
腕時計の純正パーツには、保有期限があります。1つのモデルが製造中止して、7年以上が経過したら修理不可になります。見分け方としては、シチズンのWebサイトに掲載があるかを確認する事です。無ければ製造中止モデルなので、あらかじめ修理対応かどうかの確認が必要となります。
腕時計を購入して、7年以上が経過してからオーバーホール依頼するときは注意しましょう。
シチズンのオーバーホールを修理専門店に依頼するメリットとデメリット
正規サービスにはデメリットがありますが、やはり依頼するにあたっての魅力があります。
しかし、オーバーホール料金や納期に関しては、修理専門店のほうが安くて迅速です。修理専門店には、それ以外にもメリットが存在しますので、デメリットと共に解説します。
メリット①:熟練の技術者による正規サービス並みの仕上がり
修理専門店でも、正規サービス並みの仕上がりは期待できます。
優秀で経験豊かな技術者が担当すれば、正規サービスとオーバーホールの質は変わりません。見分ける手段としては、技術者の「資格」で判断できます。国内唯一の修理資格である、「腕時計修理技能士」を保有しているか確認しましょう。
優秀な技術者がいる修理専門店を選べば、何の問題もなくオーバーホール作業をしてくれます。
メリット②:修理不可モデルが修理できる可能性がある
パーツの保有期限が過ぎて、修理不可になったモデルでも、修理できる可能性があります。シチズンの修理実績が豊富な修理専門店なら、古いモデルのパーツを保有していることがあるからです。
全ての修理不可品や、アンティーク時計に対応している保証はありませんが、正規サービスよりも修理できる可能性は上がります。全国的に数が多い、修理専門店ならではのメリットと言えるでしょう。
デメリット:「エコドライブ」や「電波時計」の対応していない修理専門店もある
シチズンには様々な機能があり、「エコドライブ」と「電波時計」に関しては対応していない修理専門店もあります。
エコドライブはシチズン独自の機構のため、故障の際は純正パーツがどうしても必要となります。電波時計に関しても、シチズンの全ての電波時計はエコドライブとセットになっているので、対応できないのです。
修理専門店の中には、メーカーの純正パーツを保有しているところもあります。依頼したい修理専門店が見つかれば、エコドライブがオーバーホール可能かどうかの確認してみましょう。
K’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理
K’s factory(ケイズファクトリー)では、時計専門店様から数多くの難しい依頼を受けてきた経験豊富な技術者が皆様のご愛用の腕時計を的確に診断・修理いたしております。また、ほぼ全ての修理工程を自社工房内で完結しており、厳重なセキュリティシステムで責任をもって皆様の大切な腕時計をお預かりしております。
内部(ムーブメント)のオーバーホールはもちろんのこと、外装部の点検・修理なども含めたトータル修理も賜っております。一部修理後のご相談やベルトの交換などのご依頼も対応しておりますので、ぜひK’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理をご活用ください!
「シチズンオーナーズクラブ」のオーバーホールについて
シチズンのメンテナンスにおいて欠かせないのが、「シチズンオーナーズクラブ」です。「MY CITIZEN(マイシチズン)」とは別の会員制サービスで、対象商品とサービス内容は以下になります。
<対象商品>
『ザ・シチズン』
『エコドライブワン』
『カンパノラ』
<サービス内容>
『最大10年間の保証』
『無償定期点検』
『研磨修理サービス』
『会員限定のメールマガジン』
『会員限定のイベント』
上質なサービス内容ですが、対象商品によって少し差があります。特に「ザ・シチズン」に関しては、シチズンの他モデルどころか、どの時計メーカーをも凌ぐ手厚い内容になっています。
今回はオーバーホールに大きく関わりのある、「最大10年間の延長保証」と「無償定期点検」について解説していきます。
最大10年間の無償保証
『ザ・シチズン』=登録後に購入日から10年間
『エコドライブワン』=登録後に購入日から3年間
『カンパノラ』=登録後に購入日から3年間
いずれも、自然故障に対して3年間、もしくは10年間の保証がつきます。保障は内装部品に限定され、バンドやケースなどの外装部品は対象外となります。「ザ・シチズン」に関しては10年の保証期間を過ぎても純正パーツを長期保有してくれるので、安心してオーバーホール依頼ができるのです。
無償定期点検
10年間の保証期間中に、シチズンが無償点検のサービスを案内してくれます。点検の時期になると、シチズンから案内の用紙と共に着払いの配送キットが送られます。「ザ・シチズン」と「エコドライブワン」の初回限定品のみ対象となっています。
長野県にある「ザ・シチズン」の専用工房で、以下のようなあらゆる点検を実施してくれます。
・外観の確認
・運針の確認
・操作性の確認
・ムーブメントの精度
・残留磁気検査
・ケースやバンドの洗浄
・防水性能の点検
点検の時期や詳細はモデルによって異なりますが、オーバーホールと遜色ない内容のサービスを無償で受けられます。
まとめ
シチズンのオーバーホール料金と納期を、依頼先のメリットと共に解説してきました。
オーバーホールの頻度は、機械式なら3〜5年で、クォーツ式なら7〜8年で依頼してください。クォーツ式でも、内部の劣化が起こる以上は、オーバーホールが必要です。オーバーホール料金は、正規サービスの方が割高で納期もかかります。しかし、自社商品ならではの修理ノウハウと、メンテナンスにおける万全の体制は安心感につながります。
「MY CITIZEN」という会員制サービスも、登録するだけで延長保証がつきます。「シチズンオーナーズクラブ」に関しては、時計業界でも屈指の手厚いサービスが魅力です。修理専門店の方が、オーバーホール料金が安く納期も早くなります。
「できるだけ安く修理したい」「仕事で使うので早く戻ってきてほしい」といった人には、修理専門店がオススメです。熟練の職人が手掛ければ、仕上がりは問題ありません。修理専門店によっては、修理不可モデルもオーバーホールできる可能性があります。
シチズンは、あらゆる世界初の技術と洗練されたデザインが魅力です。少しでも長く楽しむためにも、オーバーホールが欠かせません。自分にとって適切な依頼先を見つけ、オーバーホールを実施してください。