時計のリューズ修理はどうすればいい?故障した後にするべき行動を解説

時計のリューズは日常的に使用することが多いパーツなので、そのぶんトラブルも発生しやすくなります。故障してしまうと、正確な時間や機能の設定ができなくなるという問題が起きます。

リューズが故障したときは、すぐに行動を起こさなければなりません。放置することで、他のパーツにも悪影響を及ぼす可能性があるからです。

この場合は時間をかけてでもプロに依頼して、確実に修理してもらうのがよいでしょう。しかし、「なんとか自分で修理できれば、その方が早いし安く済むのでは?」という考えもあるかと思います。

この記事では、そんな時計の「リューズ修理」について、詳しく解説していきます。リューズが故障した後にするべき行動が分かりますので、ぜひ最後までお読みください。

時計のリューズとは?【主な役割と重要性】

腕時計リューズ

リューズは、時計の操作に欠かせない重要なパーツです。時計の側面に配置されていることが多く、引き上げて回すことで操作する時計や、押し込んだりそのままの状態で操作できる種類の時計もあります。

リューズを回すことで操作できる主な機能としては、以下が挙げられます。

・時刻の調整

・日付けの調整

・ゼンマイを巻き上げる

・ストップウォッチ針のズレを調整(クォーツのみ)

例えば、一般的にクォーツ時計は1ヶ月に1〜20秒の誤差が発生します。長期間にわたって使用すると時間がどんどんズレてくるので、リューズで時間調整を適度にする必要があります。

時計の正確性や機能性を保つにあたり、リューズは中心的な役割を果たしているのです。

時計のリューズ修理はプロに依頼を!【4つの理由を解説】

時計の修理風景
時計の修理風景

結論から申し上げますと、時計のリューズ修理はプロに依頼するべきです。

もし自分で出来るのなら、お店に足を運ぶ手間もありませんし、時間やコストも抑えられるでしょう。しかし、リューズというのは時計の内部と直結している、非常にデリケートなパーツです。

自分で修理したことにより、直せないどころかさらに問題が発生する可能性があります。

事態を悪化させないためにも、信頼できるプロに依頼すべき理由を解説していきます。

1, 高度なスキルが必要

時計のリューズ修理には、高度なスキルが必要になります。

専門的な知識はもちろん、特定の工具で繊細な作業を進めなければなりません。

もし間違った手順で修理を進めてしまうと、さらに故障する場所が増えてしまう可能性があります。

専門性の高いプロに依頼して直してもらうほうが、結果的に最も安全に修理ができるのです。

2, 他の修理がプラスになる場合も

修理のスキルが無い人間がムリに手を出すと、思わぬトラブルで他の修理がプラスになる場合もあります。

以下にトラブルの例と、それぞれにプラスで発生する可能性のある修理内容をまとめました。

・リューズを外そうとしてムーブメントにキズがついた=オーバーホール、ムーブメント交換

・ケースやボタンなどの外装にキズがついた=ケース交換、ボタン交換

・防水パーツの劣化を見逃してしまい内部に水や湿気が侵入した=オーバーホール、ムーブメント交換

不必要な修理をさけるためにも、ムリに手を出さない様にしましょう。

3, 交換用のパーツが手に入らない

リューズを修理するにしても、交換用のパーツがないとやりようがありません。

しかし、一般消費者に時計の修理パーツはまず手に入らないでしょう。

仮に、合いそうな代替品が手に入ったとしても、スキマができて内部に水や湿気が入ったり、正しく調整ができないということが起こり得るのです。

正常に使用するためにも、メーカーで製造している純正パーツで修理をする必要があります。

4, 修理の保証がない

プロに依頼した場合、修理したパーツに対して保証が付けられることがあります。引き取り後に再び同じ問題が発生した場合は、無償で再修理をしてくれるのです。

しかし、自分で修理した場合は、もちろん保証などありません。

前述したように、リューズの修理には高度なスキルが必要です。一見うまくいったと思っても、適切に修理できていなければ、再び故障する可能性は大いにあります。

そうなった場合は、やはりプロに任せるしかないでしょう。

時計のリューズ修理が必要な症状

時計のリューズ修理が必要な症状はいくつもあります。

時計を仕事やプライベートで日常的に使用すると、どうしても経年劣化や外部からの衝撃など、様々な影響を受けてしまうからです。

ここでは、よく起こりがちな症状を原因と共に解説していきます。

リューズが折れた

リューズが折れた場合は、時計の操作は完全にできなくなってしまいます。

原因としては、外部からの強い衝撃などがあります。思わずぶつけてしまったり、高所から落下させてしまうと折れる可能性があります。

ほかにも、水や湿気でサビてしまうと折れやすくなりますし、リューズの材質上どうしても経年劣化はさけられません。

リューズが折れた状態で放置すると、内部のムーブメントに水や湿気が入ってしまうことがあります。その結果、オーバーホールまで必要になる可能性があるので、早急に修理対応をしてください。

リューズが固い

リューズが固くなると、操作がしづらくなったり、リューズ自体を引きあげることができなくなってしまいます。

長期間の使用によるゴミの蓄積や、水や湿気によるサビなどが原因です。

リューズが折れてしまう可能性もあるので、この状態でムリに操作するのはやめましょう。

リューズがゆるい

固くなるのとは逆に、リューズがゆるくなるという症状もあります。

内部のパーツの不良や、リューズ自体がすり減ってしまっていることなどが原因です。

ゆるくなると時刻の設定が狂ったり、日付けの切り替えがうまくいかなくなってしまいます。また防水性が低下し、内部に水や湿気が入ってしまう可能性もあります。

リューズが曲がっている

リューズに違和感を感じ、よく見てみると曲がっていることもあります。

必要以上に強い力でリューズを操作すると、起こりがちな症状です。ほかにも、金属疲労によって曲がることもあります。

この状態だと、正常に使用することが難しくなります。なんとか操作できることもありますが、最悪リューズが折れる可能性もあります。確認できた時点で、操作するのはやめておきましょう。

ロックができない

防水性の高い時計の場合、「ねじ込み式リューズ」というロックがかけられるタイプもあります。しかし、このロックができなくなるという症状もあるのです。

長期間の使用による汚れの蓄積や、リューズ自体がすり減ってしまっていることなどが原因です。

ロックができないと、内部に水や湿気はもちろん、ゴミなども入り込んでしまいます。防水性の高い時計としては致命的なので、早急に修理しましょう。

時計のリューズ修理の料金と納期

料金、費用

リューズ修理が必要になった場合、やはり気になるのは「料金」と「納期」です。

あまりに高額だと少し考えてしまいますし、仕事で毎日のように着用していると、早く手元に戻ってきてほしいと思うでしょう。

しかしこれらは、下記のようなあらゆる要素によって変動してきます。

修理の内容

最終的にかかる料金は、時計のグレードや故障の状態によって変わってきます。

例えば、リューズ修理のみなら数千円ほどで済むでしょう。しかし、内部のムーブメントにも異常が見られた場合は、オーバーホールもプラスされます。そうなると、費用が高額になり料金が数万円にハネ上がることもあります。

内部だけでなく、外装にサビや腐食が確認できたら、ケース交換などの修理がプラスになる可能性もあるのです。

使用する部品

使用するパーツの種類や在庫の有無でも、料金や納期が変わります。

通常は純正品のほうが高額で、代替品のほうが安くなっています。

そして、パーツがない場合は取り寄せてからの修理になります。その場合、取り寄せの日数がプラスされるので、納期が延びてしまいます。

修理店のスケジュール

修理店のスケジュールによって、納期が長くなる可能性があります。

リューズ修理を依頼したら、だいたい納期は2〜3週間ほどかかると思われます。しかし、修理店の繁忙期や、大型連休で稼働しない時期があると、納期が長くなることがあります。また、パーツをスイス等から直接取り寄せる場合は2〜4ヶ月程度掛かることもあります。

そんなに急いでないのならともかく、早く戻ってきてほしいときもあるでしょう。その場合、なるべく大型連休前を避けたり、いろんな修理店で相談して最も納期が早そうな店を選びましょう。

正確に料金や納期を知る方法は、やはり依頼する修理店で見積もりを出すことです。プロの目で修理内容と、使用すべきパーツを正確に診断してもらえます。さらに、見積もりには納期が記載されていることも多いです。

事前の確認として、まずは見積もりを出すことも検討してみましょう。

依頼する店選びのポイント5選

腕時計修理店

修理を依頼する場合、おそらく多くの人が時計を購入した店に持っていくかと思います。保証期間内の修理なら、なおさらその方がよいでしょう。

しかし、プレゼントでもらったので、そもそも時計を購入した店が分からないこともあります。ほかにも、引っ越しで店が遠方になってしまったということもあるでしょう。

この様な場合は、やはりイチから依頼する店を探す必要があります。

依頼する店選びのポイントを下記にまとめましたので、これらを参考にしてみてください。

1, 近所 or 通勤ルートにある

自宅の近所や、通勤ルートにある店を視野に入れてみましょう。

忙しくて持っていくヒマがなかったり、「修理前の受付」と「修理後の受取」の2回の来店が面倒に感じることもあると思います。

しかし、自宅の近所なら行きやすいのと、家族にも頼みやすいと思います。通勤ルートに店があるなら、会社の出勤か退勤のついでに寄ることができます。

手間と時間を省くためにも、まず自宅の近所か通勤ルートで店を探してみましょう。

2, レビューや口コミで信頼できる店か確認する

依頼する店の、信頼性も重要なポイントです。口コミや評価などを参考に、「ここなら任せられる」という店を選ぶようにしましょう。

また、長年にわたって修理業務を行なっているというのも、大きなポイントと言えます。そのような修理店は、高い技術力と信頼性が期待できます。

せっかく依頼したのに、必要以上に待たされたり、満足のいかない仕上がりになってしまったなどの悪い結果は避けるべきです。

愛用する時計をしっかり直してもらうために、まずはネットで信頼できる店を探してみましょう。

3, 修理実績を確認する

依頼する店をピックアップしたら、店のホームページなどで修理実績を確認してみましょう。

もし自分の修理したい時計と同じもの、あるいは同じメーカーの修理実績があれば、自分が修理に出すときの参考にできます。

修理後の写真や、具体的な料金がのっていることもあります。修理に出した時のイメージがよりつかめるので、ホームページに修理実績があれば確認してみましょう。

4, 修理の保証について確認する

修理の保証についても、ちゃんと明確にしている店を選ぶようにしましょう。

作業時の不備や、再び同じ故障が発生した場合に、追加の料金を負担することなく修理できるからです。

修理後のトラブルに対して保証がある店であれば、安心して依頼することができます。

5, 宅配サービスがある店を選ぶ

修理を依頼したい店が遠方の場合は、宅配サービスがあるか確認してみましょう。

いろいろ調べたうえで、「この店で修理したいけど、ちょっと遠すぎるな。」ということもあるかもしれません。

しかし宅配サービスがあれば、ホームページから修理を申し込めます。自宅から手軽に送れて、時間や交通費の節約にもなります。

遠方でも、信頼できる店に安心して修理を任せられます。

K’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理

K’s factory(ケイズファクトリー)では、時計専門店様から数多くの難しい依頼を受けてきた経験豊富な技術者が皆様のご愛用の腕時計を的確に診断・修理いたしております。また、ほぼ全ての修理工程を自社工房内で完結しており、厳重なセキュリティシステムで責任をもって皆様の大切な腕時計をお預かりしております。

内部(ムーブメント)のオーバーホールはもちろんのこと、外装部の点検・修理なども含めたトータル修理も賜っております。一部修理後のご相談やベルトの交換などのご依頼も対応しておりますので、ぜひK’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理をご活用ください!

まとめ

結論としては、リューズが故障したときには自分で修理せず、必ずプロに依頼してください。

・高度な技術が必要

・他の修理がプラスになる場合も

・交換用のパーツが手に入らない

・修理の保証がない

など、自分で行うにはあまりにリスクが多すぎるからです。

修理する店を選ぶポイントとしては

・近所or通勤ルートにある

・信頼できる店か確認する

・修理実績を確認する

・修理の保証について確認する

・宅配サービスしている店を選ぶ

などがありますので、ぜひ参考にしてみてください。

時計のリューズは、時刻や機能を正確に使いこなすうえで、欠かせないパーツです。故障を確認したら早急に修理し、楽しい時計ライフをお送りください。

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