「腕時計のオーバーホールってどれぐらいの頻度で依頼すればいいの?」
「IWCの腕時計をオーバーホールしたら料金や納期ってどれぐらいかかる?」
「IWCの腕時計をオーバーホールってどーやって依頼すればいいの?」
腕時計ブランドの「IWC(インターナショナルウォッチカンパニー)」は、スイス伝統の職人技術と米国最先端技術の融合を目指して、1868年にスイスで創業しました。1885年にデジタル式のポケットウォッチを開発するなど、創業当初から斬新な複雑機構を発表して名声を得ています。
また、1936年には耐磁性能を備えた航空時計「マーク9」を開発して、多くのパイロットに絶賛されました。その後に発表されたモデルもドイツ軍、英国軍、オーストラリア軍などに採用され、高性能パイロット時計としての評価を不動のものとしています。
そんな高機能で名声を得たIWCの名機も、経年劣化による不具合は避けられません。適切に使用するためにも、定期的なオーバーホールが必要なのです。
この記事では、IWCのオーバーホール料金や具体的なサービス内容について、解説していきます。最後まで読んでいただくと、以下のようなメリットがあります。
「腕時計のオーバーホールを何年ごとに依頼すればいいかわかる」
「IWCの腕時計のオーバーホール料金や納期がわかる」
「IWCの腕時計をオーバーホールに出す際の依頼方法についてわかる」
ぜひこの記事を参考に、愛用しているIWCの腕時計のオーバーホールを依頼してみてください。
腕時計のオーバーホールについて【作業内容と頻度】
腕時計は使用していると、内装のパーツが経年劣化を起こします。パーツに使用されている潤滑油が、乾燥してしまう等、原因は様々です。
経年劣化が進むと、腕時計の精度や動作に悪影響を及ぼし、本来の精度や機能を発揮できなくなります。そのため、腕時計は定期的にオーバーホールを実施する必要があるのです。定期的なオーバーホールによって腕時計は本来の精度や動作を維持できるのです。
ここでは、オーバーホールの具体的な作業内容と、何年ごとに実施すればいいかを解説していきます。
オーバーホールの作業内容
オーバーホールの主な作業内容は以下になります。
①点検&分解=外観や各種機能の点検を終えたら、時計部品を外装はすべて分解・内装は必要に応じて分解する。
②パーツの洗浄=古い機械油や金属カスなどを除去するため、内装専用の超音波洗浄機へ。
③ケース&ブレスの洗浄=ケースやブレスなど大きな外装部品は、外装専用の大型超音波洗浄器へ。
④注油と組み立て=機械油をパーツごとに適切な油を選定し、注油しながら組み立てる。
⑤精度調整=精度を決定する重要な部品を微調整しながら組み立てる。
⑥防水&精度テスト=精度と防水性をそれぞれ専用機器でテストする。
故障している時計には修理、定期的なオーバーホールに関してはメンテナンスというイメージになるかと思います。乾燥した潤滑油の注油はもちろん、機能や精度の調整も行います。ケースやブレスなどの外装も洗浄して、限りなく元の機能に近い状態へと戻すのです。
上記は一般的なオーバーホールの作業内容ですが、IWCの「コンプリートサービス」は少し内容が変わります。オーバーホール作業に、「外装の研磨」がプラスされるのです。ある程度のキズも直してくれるので、より外装が新品に近い状態となってユーザーに戻ってきます。
オーバーホールを何年ごとに行うか
オーバーホールを定期的に依頼するにあたって、おおよその目安となる年数があります。腕時計のメイン機能である「クォーツ式」と「機械式」で、オーバーホールの頻度は変動します。
それぞれの年数と、変動する原因も合わせて解説していきます。
クォーツ式は4~5年
電池やソーラー時計でおなじみの「クォーツ式」は、4〜5年でオーバーホールが必要です。止まっても電池交換で動くクォーツ式には、あまりオーバーホールをするイメージが無いかもしれません。
しかし、クォーツ式も針を歯車で動かしているため、内部に潤滑油を使用しています。油の乾燥や、それによる精度の不具合が発生してしまうため、クォーツ式にもオーバーホールが必要になります。機械式と比べて時刻の精度が高いクォーツ式ですが、所有してから4〜5年経過したらメンテナンスを実施しましょう。見えない内部で、劣化が進行している可能性があります。
機械式は3~5年
クォーツ式と比べて、機械式は間隔が短く3〜5年となっています。間隔が短くなる原因は、パーツ数の違いです。クォーツ式は、電池や電子回路がメインで駆動しています。対して機械式は、ゼンマイをメインに様々なパーツを組み立てて駆動させているのです。
具体的には、クォーツ式は約50個で、機械式は約100個のパーツから形成されています。機械式に関してはこれでも少ない方で、複雑な機構になると200〜300個のパーツ数となるのです。パーツ数が増えるぶん潤滑油を指す箇所や、嚙合わせるパーツも増えてきます。トラブルも起きやすくなるため、短いスパンでメンテナンスをする必要があるのです。
IWCの腕時計をオーバーホールする際の依頼方法
IWCのオーバーホールを含めたメンテナンスには、主に2つの依頼先があります。
・IWCの正規店
・腕時計の修理専門店
ここでは、上記の依頼先にオーバーホールを依頼する際の方法について解説していきます。
IWCブティックか正規取扱店まで持ち込む
基本的な依頼方法としては、全国にあるIWCのブティックか正規取扱店まで持ち込むというのがあります。まずは最寄りの店舗にて、仮見積もりの作成を行います。その後「IWCサービスセンター」に送ってオーバーホール作業を実施し、店舗に返送されるのです。
受付時に直接スタッフと相談しながら依頼ができるので、より安心感が得られる依頼方法となります。購入店に行くのが最適ですが、もし遠方だった場合は一番近い店舗に腕時計と国際保証書を持ち込めば問題ありません。
配送サービス「ピックアップ&デリバリーサービス」
IWCはオーバーホールを含めたメンテナンスにおいて、配送サービスを実施しています。
IWCの公式サイトから、仮見積もりを作成します。その後、梱包キットが送られてくるので、腕時計を配送します。オーバーホール作業はサービスセンターで実施し、完了したら指定の住所まで返送されるという流れです。
店舗まで持っていく余裕が無かったり、最寄りに正規店が無い場合は非常に便利です。
修理専門店も同様の方法で依頼可能
修理専門店に関しても、正規サービスと同様の内容で依頼できます。個人店から企業まで、あらゆる修理専門店の店舗に来店して依頼する事はもちろん可能です。
配送サービスを実施している、修理専門店もあります。手順は、正規サービスとほとんど変わりません。ネットから依頼すれば配送キットが送られるので、梱包して配送します。その後は修理専門店の工房で、プロの修理技師の手によって作業が実施されるのです。
K’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理
K’s factory(ケイズファクトリー)では、時計専門店様から数多くの難しい依頼を受けてきた経験豊富な技術者が皆様のご愛用の腕時計を的確に診断・修理いたしております。また、ほぼ全ての修理工程を自社工房内で完結しており、厳重なセキュリティシステムで責任をもって皆様の大切な腕時計をお預かりしておりますので、ぜひK’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理をご活用ください!
IWCの腕時計をオーバーホールしたときの料金と納期【正規店と修理専門店】
IWCの腕時計をオーバーホールする際に気になるのが、やはり修理料金と思われます。
オーバーホールは1回で終わりではなく、使用し続ける以上は依頼し続ける必要があります。作業工程が多いメンテナンスなので、依頼に出してもすぐに戻ってくるわけではありません。そのため、ある程度は予算や時間を想定して確保する必要があります。
ここでは、IWCの腕時計をオーバーホールしたときの料金と納期を、正規店と修理専門店にわけて解説していきます。
正規サービスのオーバーホール料金と納期
クォーツ式 | 約56,160円~ |
機械式 | 約56,160円~ |
機械式クロノグラフ | 約69,120円~ |
コンプリケーションモデル | 約159,840円~ |
ビンテージモデル | スイス本社にて見積もり |
機能によってパーツ数が変動するので、値段もそれに比例します。「コンプリケーションモデル」というのは、腕時計の”3大複雑機構”である「トゥールビヨン」「ミニッツリピーター」「永久カレンダー」のいずれか、もしくは複数を搭載したモデルのことです。
非常に複雑な機構でパーツ数も増えるので、修理料金がハネ上がってしまうのです。納期は約1ヶ月となっていますが、パーツ交換などで修理内容が変動すると、さらにプラスとなります。
修理専門店のオーバーホール料金と納期
クォーツ式 | 約19,800円~ |
機械式 | 約33,000円~ |
機械式クロノグラフ | 約44,000円~ |
コンプリケーションモデル | 要見積もり |
ビンテージモデル | 要見積もり |
修理納期:約3週間
修理専門店は、正規サービスと比べて料金は安価になります。納期も早くなるので、少しでも早く手元に戻ってきてほしい場合などに便利です。自社ムーブメントモデルなど、専用パーツが必要になるモデルは修理できない可能性があります。純正パーツを確保できる修理専門店もあるので、事前に確認が必要です。
修理料金や納期を節約したい人には、修理専門店が最適と言えます。
IWCのオーバーホールの依頼先によるメリットとデメリット
IWCの腕時計は、どのモデルも決して安価とは言えません。そんな高価な腕時計のオーバーホールを依頼するにあたって、依頼先によるメリットとデメリットは気になるかもしれません。
適切な依頼先でオーバーホールを実施するために、少しでも情報を得ておく必要があります。
【正規店のメリット】純正パーツによる的確な修理
正規店で行うメリットは、修理に必要な純正パーツを使用して修理できることです。純正パーツは時計ブランドが認定・製造したものなので、時計の動作や機能の正確さが約束されるのです。
また、高級時計においては”資産性”も重要となります。代替パーツを使用しての修理は、資産性の低下につながります。純正パーツを使用することで、時計のオリジナル性が保たれ、将来的な価値にも影響を及ぼさないようになるのです。
また、廃盤でない限り修理が可能なので、特に定番モデルは長期間のメンテナンスが保証されます。
【正規店のデメリット】修理費用が高い
正規店のデメリットは、修理費用が高額になることです。
日本中から送られる修理品に対応するため、技術者の確保と工房もそれなりの規模にする必要があるので、どうしても維持費もかかるのです。
しかし、そのぶん安心度の高いメンテナンスが保証されます。
【修理専門店のメリット】修理料金が安い
修理専門店で行うメリットの一つは、正規メーカーに比べて、オーバーホール料金が安価になりがちであることです。
オーバーホール料金を解説した際に、正規サービスよりも安くなることに触れました。具体的な理由としては、ブランドのサービスセンターよりも少数の人数で修理をしている点です。受付からお渡しまでのフローに掛かる人数を減らすことにより、修理費用も正規サービスよりも安くなるのです。
ただし、パーツ交換において代替品を提案される場合があります。もし了承して修理進行すれば、腕時計の資産性に影響してくるのです。しかし、修理専門店によっては業者専門のパーツ販売店と取引をし、純正パーツを保管していることもあります。
オーバーホール料金も安くして腕時計の資産性も担保したい場合は、事前に純正パーツの有無も問い合わせてみましょう。
【修理専門店のデメリット】店によって技術力に差がある
デメリットとしては、技術力に差があるため優良な店舗を選ぶ必要があることが挙げられます。
IWCの腕時計をオーバーホールするにあたっての、優良店舗を選ぶポイントは以下になります。
・在籍する技術者の資格=「腕時計修理技能士1級」、「WOSTEP認定」など
・IWCのオーバーホール実績
修理専門店の店先や公式サイトで、上記を確認してみましょう。優秀な修理店を見極めることができれば、正規サービス並の安心感でオーバーホール依頼ができます。
まとめ
IWCの腕時計のオーバーホールについて、網羅的に解説してきました。この記事をまとめると以下になります。
〈オーバーホールの頻度〉
・クォーツ式=7~8年
・機械式=3~5年
〈オーバーホールの依頼方法〉
【正規サービス】
1 , IWCブティックか正規取扱店まで持ち込む
2 , 「ピックアップ&デリバリーサービス」
【修理専門店】
1 , 修理専門店に直接持ち込む
2 , 配送サービスを利用する(実施している修理店は限られる)
〈IWCのオーバーホール料金と納期〉
【正規サービスの料金】
クォーツ式 | 約56,160円~ |
機械式 | 約56,160円~ |
機械式クロノグラフ | 約69,120円~ |
コンプリケーションモデル | 約159,840円~ |
ビンテージモデル | スイス本社にて見積もり |
【修理専門店の料金】
クォーツ式 | 約19,800円~ |
機械式 | 約33,000円~ |
機械式クロノグラフ | 約44,000円~ |
コンプリケーションモデル | 要見積もり |
ビンテージモデル | 要見積もり |
〈IWCのオーバーホールの依頼先によるメリットとデメリット〉
【正規店のメリット】
・正規パーツによる的確な修理
【正規店のデメリット】
・修理費用が高い
【修理専門店のメリット】
・修理費用が安い
【修理専門店のデメリット】
・店によって技術力に差がある
IWCは創業以来、時計の歴史に名を残す数多くの腕時計を開発してきました。そんなIWCの腕時計も経年劣化で精度が落ちてしまい、その状態を放置し続けると故障してしまいます。それを防ぐ唯一の手段が、オーバーホールなのです。
少しでも調子が悪いと感じた場合は、プロに相談したうえでオーバーホールを依頼しましょう。