パテックフィリップの時計修理をどこに依頼する?【正規サービスと修理専門店を比較】

「パテックフィリップの修理の依頼先について知りたい。」
「パテックフィリップの時計を修理したら料金っていくらかかるの?」
「パテックフィリップの修理を依頼する方法について知りたい。」

この記事では、上記のような疑問を解決していく内容となっております。

パテックフィリップは、1839年にスイスのジュネーブで創業された時計業界の頂点とも言えるブランドです。

創業当初から複雑機構の開発に力を入れており、その技術力は世界中から高く評価されています。

1881年には「精密緩急調整機構」の特許を取得し、1889年には「懐中時計用永久カレンダー機構」の特許を取得するなど数々の画期的な技術を開発してきました。

マニュファクチュール(自社一貫製造)ブランドで、ムーブメントからケース、ベルトに至るまで自社で製造していることも特徴です。

その結果、美しく高品質な腕時計を製造することに成功しています。

「オーデマ・ピゲ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」と並んで、世界3大時計ブランドに数えられています。

そんなパテックフィリップの腕時計も、使用していると内部で経年劣化が発生します。

内部の潤滑油は使用しているうちに乾燥し、摩擦が増加することで精度が低下したり故障の原因になったりすることがあります。

そのため、定期的な修理やメンテナンスが必須となるのです。

この記事では、パテックフィリップの時計修理をどこに依頼すればいいか、主な依頼先である「正規サービス」と「修理専門店」を比較していきます。

最後まで読んでいただくと、以下のようなメリットがあります。

・自分にとって適切な依頼先でパテックフィリップの時計修理ができる
・パテックフィリップの修理料金を把握したうえで予算を組み立てられる
・パテックフィリップの時計修理を便利な方法で依頼できる

ぜひこの記事を、パテックフィリップの時計を修理する際の参考にしてみてください。

パテックフィリップの時計修理の主な依頼先について【それぞれのメリット・デメリットも合わせて解説】

時計の修理工房
ケイズファクトリーの修理工房

パテックフィリップの時計修理の主な依頼先は、「正規サービス」と「修理専門店」です。

何が違うのか、それぞれのメリット・デメリットを挙げて解説していきます。

ぜひ、依頼先選びの参考にしてみてください。

正規サービス「パテックフィリップジャパンサービスセンター」

日本には「パテックフィリップジャパン・サービスセンター」があり、東京に位置しています。

修理が必要な製品のほとんどは、このサービスセンターに送られるのです。

こちらのサービスセンターにはスイス本社でトレーニングを受け、専門の資格を取得した時計師が在籍しています。

そのため、専門的で高品質なメンテナンスが提供されます。

正規サービスのメリット:永久修理が可能

パテック フィリップは、自社の腕時計に対して「永久修理」を保証しています。

永久修理とは、そのブランドが存続する限り全てのモデルを修理してくれることです。

パテックフィリップの工房では創業当初のスキルとパーツを継承し、100年以上前の手動機械も現役で使用されています。

そのため、すべてのモデルの修理に対応できるのです。

孫子の代まで受け継いでいける、まさに「永久」に愛用できる腕時計と言えます。

正規サービスのデメリット:修理料金が高額

パテックフィリップ正規サービスの修理料金は、非常に高額となります。

修理料金の詳細は後述しますが、一番安いクォーツ式でも10万円以上するのです。

一般的にクォーツ式の修理料金は1万円前後が相場となっていることから、かなり高額であることがうかがえます。

理由として、パテックフィリップの腕時計は精度や見た目の美しさを保つため、世界一厳しいと言われる品質基準を設けています。

厳格な品質基準を実現するため、優秀なスタッフの人件費や工房・機械の維持費などあらゆるコストがかかるのです。

腕時計の修理専門店

腕時計の修理専門店は、専門の知識とスキルを持つ時計師が修理してくれるお店です。

電池やバンドの交換はもちろん、ムーブメントや外装のメンテナンスなど幅広い修理に対応しています。

日本には個人店からネット店舗まで、様々なスタイルの修理専門店が全国に点在しています。

修理専門店のメリット:修理料金が安価

腕時計の修理料金は、正規サービスよりも修理専門店の方が安い傾向にあります。

理由として、以下の3つが挙げられます。

①修理料金に時計の製造費や広告宣伝費が乗せられていない
②修理の工程に特化しており、効率化が図られている
③ネット店舗など、実店舗にかかるコスト削減が図られている

腕時計の定期メンテナンスは、時計を所有している以上は確実にのしかかります。

少しでもランニングコストを抑えたい場合は、修理専門店の利用を検討するとよいでしょう。

修理専門店のデメリット:修理保証が短い

修理専門店は正規サービスと比べて、修理保証が短くなります。

正規サービスは2年で、修理専門店は半年〜1年となるのです。

短くなる理由として、主に下記の3つが挙げられます。

①代替パーツの使用
②修理の品質基準の差
③修理料金の差

修理料金が安価になる理由でも挙げられた通り、代替パーツの使用は時計修理に大きな影響を及ぼすようです。

もちろんプロが手掛ける以上、修理における一定のクオリティは保障されます。

しかし正規サービスと修理専門店では、どうしても上記のようにあらゆる差異が発生するのです。

パテックフィリップの時計修理の料金と納期

料金、費用

パテックフィリップの修理を依頼する際には、料金と納期を事前に把握しておくことが重要です。

時計のメンテナンスは、定期的に行う必要があります。

事前に料金と納期を把握しておくことで、予算の確保と時間的な余裕を持っておくことができます。

ここでは、パテックフィリップの修理料金と納期を依頼先別で比較していきます。

正規サービスの修理料金と納期

機能修理料金(スイスフランを円に換算)
クォーツ式約109,500円
手巻き式約164,000円
自動巻き約182,000円
コンプリケーションⅠ(年次カレンダー・トラベルタイム・ワールドタイム・ムーンフェイズ・パワーリザーブ等)約237,000円
コンプリケーションⅡ(永久カレンダー・クロノグラフ・年次カレンダー搭載クロノグラフ)約328,500円
コンプリケーションⅢ約419,700円
グランドコンプリケーションスイス見積もり
※掲載金額は2023年12月時点のレートによるものです
※最終的な修理内容によって料金が変動します

納期:7週間~

パテック フィリップはスイス製の腕時計であるため、所有モデルや点検の結果によってはスイス本社に送られる可能性があります。

スイス送りになる場合は、別で送料がかかったり大幅に納期がプラスされるのです。

納期はモデルや時期によって異なりますが、おおよそ7週間です。

スイス送りになる場合は、さらに1〜2ヶ月プラスでかかる場合もあります。

修理専門店の修理料金と納期

機能修理料金
クォーツ式約38,500円
手巻き式約49,500円
自動巻き約58,300円
コンプリケーションⅠ(年次カレンダー・トラベルタイム・ワールドタイム・ムーンフェイズ・パワーリザーブ等)約64,900円
コンプリケーションⅡ(永久カレンダー・クロノグラフ・年次カレンダー搭載クロノグラフ)約72,600円
コンプリケーションⅢ(永久カレンダー搭載クロノグラフ・レトログラード日付表示針付永久カレンダー)見積もり
グランドコンプリケーション見積もり
※修理専門店や最終的な修理内容によって料金が変動します

パテックフィリップの腕時計は、自社製造で非常に高度な技術で製作されています。

そのため、修理専門店では純正のパーツ交換が困難となっています。

パーツ交換が必要と判断された場合、修理専門店から正規サービスに送られることもあるのです。

定期メンテナンスの作業だけなら、修理専門店の方が安くなります。

パテックフィリップの時計修理の頻度は4~5年

パテックフィリップの定期メンテナンスは、4〜5年おきに依頼するのが公式でも推奨されています。

理由は、内部の潤滑油が乾燥してくるおおよその周期が4〜5年となるからです。

購入後やオーバーホール完了後から上記の年数が経過したら、定期メンテナンスを依頼しましょう。

適切な期間に修理を依頼することは、腕時計の長寿命化にもつながります。

パテックフィリップの時計修理の依頼方法

時計のレーザー溶接
時計のレーザー溶接

パテックフィリップの時計修理の依頼方法は、依頼先によって少し異なります。

そこも含めて、パテックフィリップの時計修理の依頼方法を解説していきます。

正規サービスの依頼方法【正規サービスでの来店受付】

正規サービスの依頼方法は、全国にあるパテックフィリップのサービスセンターか正規販売店に来店して受付する方法です。

サービスセンターは、東京にある「パテックフィリップジャパンサービスセンター」です。

ただし、サービスセンターはこの1か所だけとなります。

来店が難しい場合は、2023年12月現在で全国に30店舗ある正規販売店へ持ち込む形となります。

パテックフィリップの時計に精通したスタッフが対応しますので、スムーズかつ安心感を持って修理の依頼ができるのです。

修理専門店の依頼方法【修理専門店での来店受付】

修理専門店も基本的には来店受付ですが、正規サービスとの違いは店舗数です。

2023年12月現在で修理専門店は、全国に約2,000店舗あります。

ただし、これだけ店舗があるとスキルに差が発生します。

そのため、修理専門店に依頼する場合はスキルのある業者選びをする必要があるのです。

・在籍スタッフが腕時計修理の専門資格を保有している(「腕時計修理技能士1級」など)
・パテックフィリップの修理実績がある

上記を踏まえたうえで、依頼すべき修理専門店を自分で選定しましょう。

修理専門店の依頼方法【宅配サービス】

一部の修理専門店では、郵送による宅配サービスも実施しています。

流れとしては、以下のようになります。

①修理専門店のWebサイトから修理を依頼
②宅配キットを手配する
③時計を入れて発送する
④見積もりが発行される
⑤見積もりを了承すれば修理開始

⑥修理完了したら指定の住所まで返送される

来店受付は、依頼時と引き取りで最低でも2回の来店が必要です。

宅配サービスなら、依頼から受け取りまでが自宅で完結します。

忙しいときでも来店の手間が省けて、便利なサービスとなっています。

K’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理

K’s factory(ケイズファクトリー)では、時計専門店様から数多くの難しい依頼を受けてきた経験豊富な技術者が皆様のご愛用の腕時計を的確に診断・修理いたしております。また、ほぼ全ての修理工程を自社工房内で完結しており、厳重なセキュリティシステムで責任をもって皆様の大切な腕時計をお預かりしておりますので、ぜひK’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理をご活用ください!

まとめ

パテックフィリップの時計修理をどこに依頼すればいいか、主な依頼先である「正規サービス」と「修理専門店」を比較して解説してきました。

この記事の要点をまとめると、以下になります。

・正規サービスのメリットは永久修理が可能であること
・正規サービスのデメリットは修理料金が高額であること
・修理専門店のメリットは修理料金が安価であること
・修理専門店のデメリットは修理保証が短い
・パテックフィリップの時計修理の頻度は4~5年
・正規サービスの依頼方法は「来店受付」のみ
・修理専門店の依頼方法は「来店受付」と「宅配サービス」

当記事の結論として、パテックフィリップの修理は「スキルの高い修理専門店に宅配サービスで依頼する」というのがおすすめです。

理由は、以下の3つです。

①料金が安い

正規サービスでは、修理料金がかなり高額になります。

パーツ交換が必要になると、さらに料金にプラスされることがあります。

一方、修理専門店では手頃な価格で修理が可能です。

②スキルが高い店舗を選べば安心感がある

修理専門店の中には、正規サービスと同等の修理技術と環境を有しているところもあります。

そのような修理専門店を選ぶことで、安心感も得られるのです。

前述しましたが、スキルの高い修理専門店の選び方を下記に記載しておきます。

・在籍スタッフが腕時計修理の専門資格を保有している(「腕時計修理技能士1級」など)
・パテックフィリップの修理実績がある

③手間が少ない

修理専門店の中には、宅配サービスを利用できるところもあります。

そのため、時計を送るだけで、修理の依頼から引き取りまでを完了できます。

宅配サービスを利用すれば、時計をお店に持っていく手間が省けるのです。

ただし、アンティークや複雑な機構を持つモデルの場合は、正規サービスを検討する方が良いでしょう。

修理専門店では、パーツの供給などの理由から修理できないことがあります。

パーツ交換の無い定期メンテナンスに限定すれば、修理専門店の方が高いコストパフォーマンスが期待できます。

パテックフィリップの時計を長く愛用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

この記事を参考に、ぜひ修理の依頼を検討してみてください。

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