オーデマピゲのオーバーホール料金と納期を正規サービスと修理専門店に分けて解説

「オーデマピゲのオーバーホールの主な依頼先について知りたい」
「オーデマピゲのオーバーホール料金ってどれぐらいかかるの?」
「オーバーホールの依頼方法についても知りたい」

「オーデマピゲ」は、1875年に「ジュール・ルイ・オーデマ」と「エドワール・オーギュスト・ピゲ」という2人の時計師によってスイスで創業されました。

常識を打ち破る傑作を数多く輩出した、スイス時計界のトップブランドです。

・1889年=「永久カレンダー」「ミニッツリピーター」「クロノグラフ」などを備えたグランコンプリカシオン懐中時計をパリ万国博覧会で発表
・1915年=世界最小のファイブミニッツリピータームーブメントを開発
・1972年=世界初のラグジュアリースポーツウォッチ「ロイヤルオーク」を発表
・1978年=世界初の自動巻き永久カレンダーウォッチを発表
・1986年=世界初の自動巻きトゥールビヨンウォッチを発表

「パテックフィリップ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」と並び、”世界3大時計ブランド”の一角として不動の地位を築いています。

そんなオーデマピゲの腕時計も、使用していると内部で経年劣化が発生します。

時計の精度や機能に悪影響を及ぼし、最終的にパーツの破損にもつながりかねません。

そのため、定期的なメンテナンスである「オーバーホール」が必須となるのです。

この記事では、オーデマピゲのオーバーホール料金と納期を主な依頼先である正規サービスと修理専門店にわけて解説していきます。

最後まで読んでいただくと、以下のようなメリットがあります。

「オーデマピゲのオーバーホールの依頼先についてメリット・デメリットも含めてわかる」
「オーデマピゲのオーバーホール料金について依頼先別にわかる」
「オーバーホールの依頼方法についてわかる」

ぜひこの記事を参考に、愛用しているオーデマピゲの腕時計をオーバーホールしてみてください。

オーデマピゲのオーバーホールを実施している2つの依頼先【メリットとデメリット】

オーデマピゲのオーバーホールを実施している依頼先は、「オーデマピゲの正規サービス」と「腕時計の修理専門店」です。

いざ依頼するとなっても、何かしらの情報が無いとどちらにすればいいのか迷うところではあります。

ここでは、主な依頼先である「正規サービス」と「修理専門店」について解説します。

それぞれのメリットとデメリットも合わせて解説しますので、依頼先を選択する際の参考にしてみてください。

オーバーホールとは?【腕時計の定期的メンテナンス】

腕時計のオーバーホールとは、経年劣化した時計の内部を新品同様にリフレッシュすることです。

経年劣化とは、主に内部のパーツに使用している潤滑油の劣化を指します。

パーツがスムーズにかみ合わなくなるため、精度や機能に不具合が発生するのです。

『オーバーホール作業の流れ』
①点検&分解
②パーツの洗浄
③ケース&ブレスの洗浄
④パーツへの注油
⑤組み立て
⑥精度調整
⑦防水テスト

上記のようなメンテナンスをすることで、時計の長寿命化にもつながるのです。

オーデマピゲの「正規サービス」

オーデマピゲの修理とメンテナンスは、国内に設けられたサービスセンター、あるいは本国スイスの工房で対応します。

正規サービスのオーバーホールは、「コンプリートメンテナンスサービス」として実施されます。

通常のオーバーホールにはない「パーツ交換」が組み込まれ、より網羅的な内容として実施されるのです。

正規サービスのメリットとデメリット

『メリット』
・高い安心感

『デメリット』
・修理料金が高い

正規サービスのメリットは、修理における高い安心感です。

自社商品の修理なので、適格なノウハウを持っています。

そして、スキルを備えたスタッフと設備が正規サービスには整っています。

デメリットとしては、修理料金が高くなるところです。

主な理由は以下になります。

・純正パーツの使用
・アフターサービス
・商品の制作費と広告費

特に「商品の制作費と広告費」は、正規サービスならではの理由です。

これらの要素が重なって、修理料金が高額になるのです。

腕時計の修理専門店

「腕時計の修理専門店」は、腕時計の修理に特化したスタッフが常駐しています。

腕時計における、国内外のあらゆるブランドや機能の修理に精通しています。

個人店や企業、ネット店舗まであらゆる修理専門店が存在しています。

修理専門店のメリットとデメリット

『メリット』
・修理料金が安い

『デメリット』
・修理専門店によってスキルに差がある

修理専門店のメリットは、正規サービスと比べて修理料金が安くなることです。

修理専門店は工房の規模や人件費が、正規サービスよりも抑えられています。

時計の制作費や広告費もかからないので、修理サービスが安く提供できるのです。

デメリットとしては、修理専門店によってスキルに差がある事です。

修理専門店は全国に多数存在するため、スキルが均一とは言えません。

そのため、修理専門店に依頼する際は以下のポイントを抑えましょう。

・在籍スタッフが腕時計修理の専門資格を保有している(「腕時計修理技能士1級」など)
・オーデマピゲの修理実績がある

スキルの高い修理専門店を見極められれば、高いスキルで安価なサービスが受けられるのです。

K’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理

K’s factory(ケイズファクトリー)では、時計専門店様から数多くの難しい依頼を受けてきた経験豊富な技術者が皆様のご愛用の腕時計を的確に診断・修理いたしております。また、ほぼ全ての修理工程を自社工房内で完結しており、厳重なセキュリティシステムで責任をもって皆様の大切な腕時計をお預かりしておりますので、ぜひK’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理をご活用ください!

オーデマピゲのオーバーホール料金と納期

オーバーホールを依頼するにあたって、やはり気になるのは料金です。

オーバーホールは定期メンテナンスなので、数年おきに依頼する必要があります。

所持している限り、確実にのしかかるランニングコストなのです。

ここでは、そんなオーデマピゲのオーバーホール料金と納期について、依頼先別に解説していきます。

正規サービスのオーバーホール料金と納期

機能オーバーホール料金
ロイヤルオーク
クォーツ約110,000円
自動巻き約172,700円
エクストラシン(極薄)約237,600円
クロノグラフ約308,000円
パーペチュアルカレンダー約401,500円
CODE 11.59 バイ オーデマピゲ
自動巻き約172,700円
クロノグラフ約308,000円
パーペチュアルカレンダー約401,500円
その他
クォーツ約91,300円
手巻き約146,300円
自動巻き約156,200円
エクストラシン(極薄)約218,900円
クロノグラフ約292,600円
パーペチュアルカレンダー約383,900円
※スイスフランを日本円に換算した概算料金です
※2023年11月現在の料金です
※スイスフランのレートや最終的な修理内容によって料金が変動します

・納期=1ヶ月~半年

正規サービスの料金は、製造が25年以内の機械式時計と15年以内のクォーツ時計に適用されます。

上記の年数を上回るモデルの修理は、スイス本社で見積もり対応となります。

オーバーホール納期は、1ヶ月〜2ヶ月となります。

スイス本社の対応になると、半年以上かかる場合もあるのです。

往復の輸送費などもかかるため、オーバーホール料金も跳ね上がります。

修理専門店のオーバーホール料金と納期

機能オーバーホール料金
クォーツ約35,750円
手巻き約45,100円
自動巻き約49,500円
クロノグラフ約78,650円
パーペチュアルカレンダー見積もり
※最終的な修理内容によって料金が変動します

・納期=3~4週間

正規サービスと比べて、料金はかなり割安になります。

しかし、複雑機構である「パーペチュアルカレンダー」は見積もり対応となることが大半です。

納期も最短で3週間と早くなります。

正規サービスは日本中、スイス本社になると世界中からの依頼に対応します。

修理専門店は数が多いぶん依頼が分散されるので、1件1件の納期が迅速になるのです。

オーバーホール頻度

・機械式=3~5年
・クォーツ式=6~8年

基本的にムーブメントのパーツに使用されている、潤滑油の耐用年数になります。

クォーツ式の方が長いのは、パーツ数の違いです。

機械式は機能にもよりますが、ムーブメントに約100個のパーツが使用されています。

一方クォーツ式は約50個と、半分ほどになります。

潤滑油を必要とするパーツも少ないので、機械式よりも長い頻度で問題ありません。

オーデマピゲのオーバーホールを依頼する方法

時計の修理工房
時計の修理工房

オーバーホールの依頼方法は、基本的に「来店受付」か「宅配サービス」になります。

依頼先によって内容が少し異なりますので、それぞれ解説していきます。

正規サービスの依頼方法

『来店受付』
・オーデマピゲブティックかサービスセンターに持ち込む

『宅配サービス』
・配送による「ピックアップサービス」

オーデマピゲで来店受付ができるのは、以下になります。

・ブティック
・正規代理店
・サービスセンター

いずれも都心部に集中しているので、来店が難しい人もいるかと思います。

そんな時は「ピックアップサービス」が便利です。

正規サービスにEメールか電話で申し込むと、梱包資材が届けられます。

時計を入れて返送すれば、10日以内で見積もりが届きます。

見積もり了承したら、あとはオーバーホールが終わるまで待つだけです。

納期は約5週間となっています。

来店受付が難しい場合に、便利なサービスです。

修理専門店の依頼方法

『来店受付』
・全国にある修理専門店に持ち込む

『宅配サービス』
・一部の修理専門店で行っている

修理専門店は全国に存在するので、来店が容易になります。

自宅の近所はもちろん、通勤ルートにあればついでに立ち寄りやすくなります。

一部の修理専門店では、配送サービスを実施しています。

依頼の手順も、正規サービスとほとんど変わりません。

ネットから申し込んで、梱包資材を手配します。

その後は時計を送り返して、見積もりを了承して作業となります。

正規サービスとの大きな違いは、送料がかかる可能性がある事です。

ただ、オーバーホール料金が安いので、送料をプラスしても正規サービスの修理料金を超えることはまずありません。

オーデマピゲは永久修理が可能

時計のレーザー溶接
時計のレーザー溶接

「永久修理」とは、腕時計ブランドが存続する限り修理を請け負ってくれることです。

通常はモデルが生産終了になると、パーツも生産停止になります。

すぐにではなく、生産終了してから7年間など期限が設けられています。

しかし、永久修理に対応しているブランドなら期限なしでいつでも修理ができるのです。

ここでは、そんなオーデマピゲの永久修理について解説していきます。

正規サービスの永久修理

オーデマピゲでは、機械式に関しては永久修理の対応となっています。

パーツの保有期間はもちろん、技術ノウハウに期限を設けていません。

スイスの工房にて、歴代すべての時計の修復が可能となっているのです。

仮にパーツが無くても、制作して修理してくれます。

クォーツ式に関しては、パーツ交換になると最新の代替パーツになります。

修理専門店でも技術的に可能な場合がある

修理専門店も、アンティークモデルの修理を請け負っている業者が存在します。

必要なパーツがなければ、制作して交換してくれるのです。

非常に高度な技術を要するので、実施している修理専門店は多くありません。

逆にパーツ制作を実施している修理専門店があれば、高度なスキルの証明となります。

オーバーホールを依頼するにあたって、信頼できる大きなポイントとなります。

まとめ

オーデマピゲのオーバーホールについて、料金と納期を依頼先別に解説してきました。

この記事の要点をまとめると、以下になります。

・オーデマピゲのオーバーホールの主な依頼先は「オーデマピゲの正規サービス」と「腕時計の修理専門店」
・正規サービスのメリットは「高い安心感」でデメリットは「修理料金が高い」
・修理専門店のメリットは「修理料金が安い」でデメリットは「修理専門店によってスキルに差がある」
・オーバーホールの頻度は機械式が3~5年でクォーツ式が6~8年
・オーバーホールの依頼方法は基本的に「来店受付」か「宅配サービス」
・オーデマピゲの正規サービスでは永久修理が可能
・必要なパーツを自社で制作してくれる修理専門店もある

当記事の結論としては、「スキルの高い修理専門店に依頼する」ということをオススメします。

オーデマピゲは時計自体が高額なので、それに伴いオーバーホール料金も高額になります。

そんな高額なオーバーホール料金が、定期的に必要となるのです。

特に機械式は3〜5年という頻度で、オーバーホール依頼が必要になります。

スキルの高い修理専門店なら、安心感の高いオーバーホールが安価な料金で依頼できるのです。

さらに、宅配サービスも利用すれば来店の手間も省けます。

しかし、「グランドコンプリケーション」などの複雑機構は正規サービスで依頼する方が良いでしょう。

修理専門店で見積もりした結果、正規サービス送りになる可能性もあるからです。

そうなると、大幅な料金と納期がかかってしまいます。

あくまで定期メンテナンスとしての利用なら、スキルの高い修理専門店が最適と言えます。

オーバーホール依頼する流れを身につけ、長年にわたる愛用を実現してください。

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