セイコーのオーバーホールは何年ごと?修理料金や推奨頻度、修理店の選び方を解説

セイコーは日本が誇る腕時計ブランドです。国内はもちろん海外からも人気が高く、とくに最近ではプロ野球選手の大谷翔平選手とのコラボレーションモデルなどでも注目を集めています。精度が高く手間の掛からないクォーツや昔ながらの機械式時計、電波で時刻を修正するGPSソーラー搭載時計など、さまざまなムーブメントを提供しているのも魅力の一つです。

しかし高品質なセイコーの時計であっても、使い続けていれば精度が落ちてしまう、動作に違和感があるといった不調が生じることも出てきます。そういった際には、修理を依頼する必要があります。また現在は問題がなくても、時計は定期的なメンテナンスであるオーバーホールが必要です。オーバーホールを怠ると、最悪の場合動かなくなる、使用できなくなる等の不具合につながってしまいます。

この記事では、セイコーのオーバーホールの基本的な知識や、料金や費用目安、オーバーホールを依頼する方法などをご紹介します。「使っているセイコーの腕時計の調子が悪い」「セイコーってオーバーホールが必要なの?」と感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

オーバーホールとは

オーバーホールとは、腕時計を分解洗浄し、不具合のあるパーツは交換し再び元の状態に組み立てる一連の作業のことを指します。オーバーホールと言うと、壊れた時計に行うものと認識している方もいらっしゃいますが、実際は違います。車の車検と同じように、壊れていない時計でも定期的にオーバーホールを行う必要があります。なぜなら外側から見て壊れていなくても、内部のムーブメントのパーツには不具合が生じていることがあるからです。

また、ムーブメントの摩耗が激しいパーツには潤滑油が塗られていますが、この油は定期的に塗り替えないと乾いたり固まったりしてしまいます。他にも内部に入り込んだ埃の除去や、防水の役割を担っているゴムパッキンの交換なども、オーバーホールで行います。

オーバーホールは、いわば時計の健康診断のようなものです。内部で異常が起こっているのに、放置し続けていれば取り返しのつかないことになってしまいます。「オーバーホールはお金がかかる」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、オーバーホールをせずに放置して故障すれば結果的に部品代がかさんで、より修理費が高額になってしまいます。

オーバーホールの推奨頻度

一般的なオーバーホールの推奨頻度は、機械式時計が3~5年に1度、クォーツ時計が4~5年に1度と言われています。しかしこれはあくまでも目安であり、モデルや時計の使用頻度によって変わってきます。

また、使用シーンによってオーバーホールの頻度が変わることは稀なのですが、基本的に平日5日間会社で時計を使っている方と、休日のお出かけの際に使っている方とでは、より多く使っている方のほうが外装などのメンテナンスが必要になると考えられます。同じく、ダイバーズウォッチをプールや海などで使う方も、メンテナンスの頻度は多くなるでしょう。

時計に少しでも違和感がある際にすぐに気づけるように、日頃からきちんとお手入れをすることをおすすめします。

セイコーのオーバーホールを依頼する方法

セイコー時計のオーバーホールを依頼するには、大きく2つの方法があります。ここではセイコー正規店と時計修理専門店に依頼する方法をご紹介します。

セイコー正規店

メーカーであるセイコーが運営している正規店では、メーカーならではの安心感があります。保証期間内に通常使用による不具合が生じた場合は、無料保証の対象になります。しかしセイコーの保証期間は1年間と短めであり、保証期間内であっても、誤った使い方をすると保証対象外となりますので注意が必要です。また、保証期間が切れていても有料になりますが、修理やオーバーホールの受付は可能です。

セイコー正規店に依頼するには、全国の直営店や販売店に出向くかWebサイトから受付を行う必要があります。Webサイトからは、修理・オーバーホールにかかる費用の見積を出してくれますが、時計の型番または品番を入力しなければいけません。見積後、その金額に了承すればそのまま修理・オーバーホールを依頼できます。

セイコー正規店のwebサイトはこちら

時計修理専門店

時計修理専門店は、文字どおり時計の修理を専門に行う店舗のことです。セイコーは日本のメーカーであり広く流通しているブランドのため、多くの店舗が対応しています。店舗によって品質にばらつきがありますが、多くは時計修理の国家資格を持った技術者が対応しており、店舗によってはパーツを一から製造する高い技術力を持ったところもあります。

また、多くは正規店に依頼するよりも価格が安く、期間も短く済む特徴があり定期的なメンテナンス費用を抑えたいという方から選ばれることの多い方法です。

セイコーのオーバーホールを行う依頼先の選び方

セイコーのオーバーホールを依頼するのに、セイコー正規店と時計修理専門店、どちらが良いのでしょうか。ここでは、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

セイコー正規店のメリット・デメリット

セイコー正規店のメリットは、ブランドならではの安心感です。セイコーはロレックスやオメガといったスイスのブランドと比較されるほど、高品質な時計作りをするブランドとして知られています。そんなセイコーによる修理・オーバーホールを受けられるのは、正規店ならではのメリットと言えるでしょう。

また、他のブランドに比べて料金が安いという点も見逃せません。時計本体だけでなく、メンテナンスの技術も高品質でありながらコストパフォーマンスに優れているのも、セイコーの魅力の一つと言えます。

デメリットとしては、オーバーホールにかかる期間が長めという点です。セイコー正規店に依頼した場合、クォーツ時計の場合は3~4週間、機械式時計の場合は4~5週間かかります。こちらに加えて時計の配送期間もプラスされます。

時計修理専門店のメリット・デメリット

時計修理専門店のメリットは、正規店よりも価格が安い点です。セイコーの場合、正規店の費用が他のブランドに比べて安いのが特徴ですが、時計修理専門店ではそれよりもさらに安い傾向にあります。またオーバーホールにかかる期間も正規店よりも短く、クォーツ時計のシンプルな時計であれば、最短2週間で完了するところもあります。

デメリットは、店舗によって品質に差がある点です。時計修理専門店は個人でやっている小規模なところから全国にチェーン展開しているところまで、さまざまな規模があります。優れた技術力とサービスを提供しているところもあれば、アルバイトやパートといった資格を持っていない人が対応するところもあるため、依頼する時計修理専門店の技術力を見極める必要があります。

優良な時計修理専門店は、下記のような特徴を持っているため依頼先を選ぶ際に参考にしてみてください。

  • 自社で工房を持っていて修理やオーバーホールをすべて対応している
  • 時計修理にかかわる専用設備を持っている
  • 自社でパーツを製造できる技術者・設備を有している

K’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理

K’s factory(ケイズファクトリー)では、時計専門店様から数多くの難しい依頼を受けてきた経験豊富な技術者が皆様のご愛用の腕時計を的確に診断・修理いたしております。また、ほぼ全ての修理工程を自社工房内で完結しており、厳重なセキュリティシステムで責任をもって皆様の大切な腕時計をお預かりしております。

内部(ムーブメント)のオーバーホールはもちろんのこと、外装部の点検・修理なども含めたトータル修理も賜っております。一部修理後のご相談やベルトの交換などのご依頼も対応しておりますので、ぜひK’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理をご活用ください!

セイコーのオーバーホールにかかる費用・料金は?

料金、費用

セイコーのオーバーホールにかかる費用・料金の目安を解説します。こちらで紹介するのは、基本的なオーバーホール料金のため、パーツ交換が発生した場合はその費用が加算されます。

セイコー正規店の費用・料金目安

セイコー正規店でのオーバーホール費用はモデルによって変動しますが、5,300円~33,000円です。この基本料金にパーツ交換が発生すれば料金が加算されます。また修理の依頼が多い風防(ガラス)交換は修理技術料が3,200~6,900円+交換ガラス費用2,400~9,500円、ベルト交換は2,000円+ベルト代となります。これはセイコーの料金のため、グランドセイコーやクレドールなどはこれより高額になります。

時計修理専門店の費用・料金目安

時計修理専門店でのオーバーホール費用は店舗によって異なりますが、11,000~22,000円となっています。この基本料金に、パーツ交換が発生すれば料金が加算されます。修理依頼の多いガラス交換は技術料3,000~+交換ガラス代、ベルト交換は2,000円+ベルト代となっています。

時計修理専門店は、店舗によって費用や品質に差があります。価格が安いというだけで決めてしまうと、技術が低く時計の状態がより悪くなってしまうこともあるため、その店舗の技術力がどのくらいか過去の実績や設備、在籍している技術者の資格などを確認しておきましょう。

セイコーのオーバーホールを依頼する際の注意点

セイコーオーバーホールには、事前に知っておかないと修理を依頼してもオーバーホールを断られたり、予想外の出費になったりといった事態に発展してしまうことがあります。ここではセイコーのオーバーホールを依頼する前に知っておきたい注意点をご紹介します。

製造年が古い時計は正規店でオーバーホールできない

セイコーをはじめ、多くのブランドでは製造が終了した時計のパーツをずっと保管しているわけではありません。多くは一定期間保管した後、在庫がなくなり次第、修理の対応ができなくなります。そのため、製造年が古いセイコーの時計は、正規店では受付してもらえない可能性があります。

「親から譲り受けた時計を修理しようと思ったら修理不可だった」「昔買ったお気に入りの時計がオーバーホールできない」といった声も聞かれます。とくに多いのが、復刻版で再び注目を集めたキングセイコー。復刻版は正規店でも修理をしていますが、当時物の修理受付は基本的に終了しています。修理に必要なパーツが残っていれば修理してもらえるケースもあるそうです。

こうした正規店での修理ができない時計でも、時計修理専門店では修理受付しているところがあります。パーツの供給が終了しているような古い時計でも、パーツを製作できるところであれば、対応してもらえます。

見積よりも費用が高額になる場合がある

正規店や時計修理専門店で掲載しているオーバーホール費用は、あくまでも基本的な料金となります。内部を点検してパーツの交換が必要だった場合、そのパーツの費用が別途かかります。そのため「サイトに掲載している費用よりも高い見積がきた」「当初の見積より費用が高額になっている」ということも多くあります。

いくらプロの技術者でも、最初に時計の症状や状態を聞いたところから完璧に時計の不具合を見抜くのは難しく、ケースをあけてムーブメントを点検して新たな不具合が発見されることも少なくありません。修理前に見積を出してくれるサービスは、「あくまでも概算費用である」ということを頭に入れておきましょう。

郵送時には壊れないようにしっかり梱包する

店舗に直接持ち込む以外は、宅配で時計をサービスセンターに郵送する必要があります。セイコー正規店や時計修理専門店の多くは、申込みをすると時計専用の宅配キットを送ってくるためそのキットに時計を梱包して発送します。キットには時計を守るクッションが入っていますが、きちんと梱包しないと郵送時の衝撃で壊れてしまうこともあるため、しっかりと梱包するようにしましょう。

まとめ

セイコーのオーバーホールの依頼先や料金・費用の解説、注意点などを解説しました。セイコーは、長く使い続けるには定期的なメンテナンスであるオーバーホールが必要です。セイコーのオーバーホールは、機械式時計が3~5年に1度、クォーツ時計は4~5年に1度が推奨期間と言われています。

この期間よりも短くても、操作や動きに違和感がある場合は、なるべく早めにオーバーホールを依頼するようにしましょう。不具合を長期間放置したり、長年オーバーホールを行わずにいると、時計が壊れてしまったり修理ができなくなったりするため、注意が必要です。

オーバーホールの依頼先は、セイコーの正規店と時計修理専門店の大きく2つがあります。セイコー正規店はメーカーならではの安心感がある一方、オーバーホールにかかる期間が長めというデメリットがあります。時計修理専門店は、費用が安く期間も短いというメリットがありますが、店舗によって品質に差があるため優良店を見極める必要があります。

優良店舗は、自社で修理・オーバーホールを対応している、専用設備を備えている、資格をもった技術者が在籍しているといった特徴があります。それぞれの特徴を理解した上で、依頼先を選ぶと良いでしょう。

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