腕時計は普段から身につけていることが多いため扱いが雑になってしまうことがありますが、とても精密な機構をもっています。そのため、長期間にわたって使い続けるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。特に、ロレックスのような高級ブランドの時計であれば、故障したからといってすぐに新しい時計を買い直すことも難しいと思いますので、定期的にオーバーホールを行ってメンテナンスを行うことが大切になります。本記事では、ロレックスのオーバーホールについて、その必要性や頻度、費用、注意すべき点などを解説します。また、オーバーホールを行う際の専門店選びや、オーバーホール前後のメンテナンスについても紹介します。ロレックスのオーバーホールに関心がある方は、ぜひ参考にしてください。
オーバーホールとは何か
オーバーホールとは、腕時計を分解し、部品の注油、調整を行う作業で、正確な時間を刻むために必要な機能や精度を正常な状態へと回復させることを目的に行います。腕時計は、百個以上の小さな部品で構成されていますが、その中でも特に高い精度が求められるムーブメントの部分には摩耗が生じやすく、腕時計が動かなくなったり、歩度が遅れたりすることがありますので、オーバーホールによって1つ1つの部品をチェックすることで、これらの問題を解決します。
一般的なオーバーホールについてのより詳細については別記事「腕時計のオーバーホール 料金の目安や期間と頻度、見積もりの取り方まで全て解説」に記載をしておりますので、ぜひこちらをご確認ください。 本記事では、ロレックスに焦点を当ててより詳しく記載してまいります。
ロレックスのオーバーホールが必要な理由
ロレックスは高い品質と信頼性で知られておりますが、それでも腕時計ですので、細かなパーツが精密に組まれて作られていることに変わりありません。そのため、高い品質のロレックスでも、時間が経過するにつれて摩耗が進んで精度が落ちることがありますので、オーバーホールでそれを解消する必要があります。
オーバーホールが必要な理由は摩耗以外にも、時計内部に汚れやサビが溜まったり、油が減少したりなど各パーツの動作を阻害する要因による損耗なども挙げられます。これらが原因で時計の精度が悪化し、動作が不安定になることがあります。オーバーホールをしないまま放置すると、さらに状態が悪化し、最悪の場合は時計の故障や壊れてしまう可能性もあります。
オーバーホールにはもちろん費用がかかりますが、ロレックスの時計は高価なものですので、定期的にオーバーホールを行って長期的に使用した方が、頻繁に新しい時計を買い替えるよりもいいでしょう。
ロレックスのオーバーホールはどのくらいの頻度で必要なのか
ロレックスのオーバーホールの頻度については、一般的に「機械式:3〜5年に1回」が「クォーツ式:4年に1回」が推奨されています。
しかし、実際には環境や使用方法によって異なる場合があります。例えば、毎日使用している場合や、日々のお手入れを怠った場合は、より頻繁にオーバーホールが必要になることがあります。 そのため、オーバーホールの頻度はあくまで目安として覚えておき、時計を装着するときに違和感がないかなど自分自身でチェックする習慣を持つようにしましょう。
また、機械式時計の場合には油の経年劣化により油の粘度が上がり、歯車やパーツの動きが悪くなります。そのまま使い続けていると、最悪の場合には故障につながることもあります。本格的なオーバーホールが必要になる前に水分や汗等の日常的な汚れをふき取るなどの定期的なメンテナンスを行うように心がけましょう。
ロレックスのオーバーホールの料金について
ロレックスオーバーホールの費用は、タイプ・仕様・依頼先によって異なります。
例えば、ロレックスの正規店である、日本ロレックスサービスセンターに依頼をした場合、オーバーホールの費用としてモデルごとの基本技術料と交換部品代がかかります。
<モデルごとの基本技術料の一例>
「モデル:デイトナ、基本技術料:8万8000円」
「モデル:エクスプローラーⅡ、基本技術料:7万7000円」
この他の修理店舗の一例として弊社をご紹介させていただきます。弊社では以下の表の価格帯からロレックスの修理を行っております。日本ロレックスサービスセンターと同様に、モデルなどによって料金は変化しますので、オーバーホールをご検討される場合には、以下の簡易お見積りのお問い合わせから、ぜひお見積りをご依頼ください。
ブランド | クォーツ | 手巻き・自動巻き | クロノグラフ |
---|---|---|---|
ROLEX | ¥30,000〜 | ¥24,000〜 | ¥56,000〜 |
ロレックスのオーバーホールを行う際に注意すべき点
ロレックスのオーバーホールを行う際には、いくつかの注意点があります。
まず、信頼できる専門店を選ぶことが重要です。オーバーホールは複雑な作業であり、専門的な知識と技術が必要です。正しい手順で作業を行わなければ、時計の機能に悪影響を与える可能性があります。
また、オーバーホール前には、修理店による正確な検査が必要です。これにより、どのような修理が必要か、どの程度の費用がかかるかが明確になります。
オーバーホールを行う際には、規格にあった部品を使用することも重要です。腕時計にあった部品を使用しなければ、時計の精度や機能に影響が出ることがあります。
加えて、オーバーホール後は、定期メンテナンスが欠かせません。普段の生活では磁気の発生するものの側に置かない、外装をこまめに拭く、優しく扱うように心がけるなどをし、定期的なメンテナンスとして信頼できるプロのオーバーホールを検討しましょう。
注意点は以上となりますが、ここでは信頼できる専門店の選び方について、より詳しく確認しましょう。
ロレックスのオーバーホールを行う専門店の選び方
先ほどの注意点でも書きましたが、ロレックスのオーバーホールを行う際には、信頼できる専門店を選ぶことが何よりも重要です。
まずは、ロレックスの公式ウェブサイトやカスタマーサポートに掲載されている正規サービスセンターを調べてみましょう。正規サービスセンターでは、ロレックスの修理に関する専門知識と技術を持った認定技術者が作業を行っており、修理品質の高さが保証されています。
次に、地元の時計修理専門店や宅配修理を実施している時計修理専門店でもロレックスのオーバーホールを行っている場合がありますので調査を行いましょう。こうした店舗は、独自の修理技術や料金体系を持っていることもあり、中にはロレックスの正規サービスセンターと同等の品質を提供している店舗もあります。
この他にも、家電量販店には時計の販売店舗が入っていることも多く、修理まで行っている店舗もありますので、近くに家電量販店がある場合には候補の1つとして考えてみるのもいいでしょう。
ロレックスのオーバーホールを依頼する際には、まずは上記の修理店舗候補の修理の品質について下調べを行いましょう。実績や利用者の声などからある程度、品質を把握することが可能です。その後、候補として絞った店舗に料金、作業期間、保証内容などについて十分に確認をとりましょう。最終的には、調査した内容から自分が信頼できると感じる店舗を選ぶことが大切です。 しかし、どういった基準でそれぞれの店舗を候補として考えればいいのか不安な面もあると思います。そこで、ここではそれぞれの店舗を利用するメリット・デメリットをまとめたいと思います。
正規メーカー店のメリット・デメリット
正規メーカー店のメリットはやはり、ロレックスの修理において一番安心感がある点です。時計が純正品であれば、正規メーカー店に預けた時計は日本ロレックスにて修理がなされますので、各モデルに合った正規の手順に従ってオーバーホールを実施してくれます。また、部品の製造が中止になっていない限りは、修理時に使用されるパーツも正規のオリジナルのものが使われるため、品質や正確性が保証されます。
しかし、正規メーカー店での修理は高額になる傾向があります。また、修理に時間がかかることもあります。さらに、正規メーカー店は修理依頼を受け付けている店舗が限られているため、地域によっては遠方にある店舗に修理を出す必要があるかもしれません。なお、直接お店に持参することに強いこだわりがない場合には、ロレックスでは郵送による修理依頼も受け付けておりますので、遠方にしか店舗がない人は郵送修理も候補に入れると良いでしょう。
以上のように、正規メーカー店は品質や信頼性に優れているものの、費用や修理にかかる時間など、いくつかのデメリットがあることが考えられます。修理の必要性や予算などによっては、他の選択肢も検討する必要があるかもしれません。
家電量販店のメリット・デメリット
家電量販店では時計の販売だけでなく、時計の修理やメンテナンスサービスを提供する店舗もあります。
メリットとしては、店舗数が多いため、比較的アクセスが容易である点が挙げられます。また、正規メーカー店の修理センターと比べると料金が安く、修理期間が短くなりやすいという点もあります。
一方、家電量販店の場合、時計の修理やメンテナンスが本業ではないことが多いため、専門性に欠ける場合があるというデメリットがあります。また、時計の専門的な知識を持っているスタッフでも、修理に関する知識や技術力について不透明な部分も多く、修理の品質に不安が残る点もデメリットです。 さらに、家電量販店は時計のブランドによっては、オーバーホールや部品交換を行えないことがあります。特に高級時計については、修理に特定の部品を必要とする場合があり、その部品を調達できない場合があるため、修理ができないことがあります。
もちろん、家電量販店によっては修理専門店から技術者を派遣している場合もあり、その場合には他の家電量販店よりも信頼度が増します。家電量販店での時計のオーバーホールやメンテナンスを検討する場合には、ブランドや症状によっては適していない場合があるため、事前に確認をするようにしましょう。
時計修理専門店のメリット・デメリット
時計修理専門店でロレックスのオーバーホールを行うメリットは、修理・オーバーホールにおける幅広い経験と専門知識に特化していることです。多くの場合、修理専門店の技術者たちは、複数のブランドの時計に対する豊富な経験を持っているため、高い技術力を持っています。
また、時計修理専門店は、修理に必要な部品を調達するために、独自のネットワークを持っていたり、店舗によっては自作をすることも可能です。これにより、製造中止になった部品など、正規メーカー店でも手に入りにくい希少な部品なども調達することができます。
一方、時計修理専門店のデメリットは依頼する店舗によって修理の技術力に差があるため、品質の保証が一定にならずばらつきが出てしまう点です。そのため、信頼できる修理専門店を選ぶ手間が発生していまいます。 修理品質については、口コミや評価などを参考にする以外にも、これまでの修理実績などを公表している店舗が多いため、そこからも信頼度を把握することができます。オーバーホールで失敗しないためにも、家から近いからなどの理由で修理店舗を選ぶのではなく、信頼できる専門店を見つけるために時間をかけて調べるようにしましょう。
K’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理
K’s factory(ケイズファクトリー)では、時計専門店様から数多くの難しい依頼を受けてきた経験豊富な技術者が皆様のご愛用の腕時計を的確に診断・修理いたしております。また、ほぼ全ての修理工程を自社工房内で完結しており、厳重なセキュリティシステムで責任をもって皆様の大切な腕時計をお預かりしております。
内部(ムーブメント)のオーバーホールはもちろんのこと、外装部の点検・修理なども含めたトータル修理も賜っております。一部修理後のご相談やベルトの交換などのご依頼も対応しておりますので、ぜひK’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理をご活用ください!
まとめ
ロレックスのような高品質の時計でもオーバーホールを行わなければ寿命が縮まってしまい、最悪の場合には壊れてしまいますので、忘れずにオーバーホールを行うようにしましょう。 オーバーホールの頻度は、ロレックスの場合は機械式で3年から5年に1度、クォーツ式の場合4年に1度の頻度で行うことが推奨されています。
オーバーホールの依頼先は正規メーカー店、時計修理専門店、家電量販店などの選択肢がありますが、正規メーカー店は信頼性が高いというメリットがある一方費用が高くなる傾向があります。時計修理専門店であれば比較的低価格での修理が可能で、依頼店舗を選定する手間がかかるデメリットはありますが、高い技術力で修理をしてもらうことも可能です。家電量販店は手軽に修理ができるというメリットがありますが、信頼性や技術力に不安が残るデメリットがありました。
上記を踏まえた上で、自分に合った店舗に見積依頼を行い、納得して依頼のできる店舗を探すようにしましょう。