「トゥールビヨンの時計を修理したいから依頼先についての情報が知りたい。」
「トゥールビヨンの時計を修理したら料金や納期ってどれぐらいかかるの?」
「トゥールビヨンの修理を依頼する際の注意点があれば教えてほしい。」
この記事では、上記のような疑問を解決していく内容となっております。
時計の複雑機構である「トゥールビヨン」は、19世紀初頭に天才時計師の「アブラ・アン・ルイ・ブレゲ」によって発明されました。
『トゥールビヨンの仕組み』
・時計の部品が重力の影響を受けて精度が落ちない様にした機構
・精度を司るパーツを「キャリッジ」というケージに収めて回転させる
・キャリッジを回転させることで重力の姿勢差による精度の誤差を克服できる
「永久カレンダー」「ミニッツリピーター」と並んで、時計の「世界3大機構」の1つとなっています。
複雑な作りで大量生産が難しいため、多くの繊細なパーツを熟練の職人が手作業で組み上げます。
視覚的な美しさもあって、時計愛好家のあこがれにもなっているのです。
そんな高機能なトゥールビヨンの腕時計も、使用するうちに内部で経年劣化が発生します。
トゥールビヨンを含め、ムーブメント内のパーツには専用の潤滑油が使用されています。
この潤滑油が年数と共に劣化していき、パーツ同士の摩擦が発生するのです。
それに伴って時計の精度が低下していき、最終的にはパーツの破損にもつながります。
トゥールビヨンが搭載されていても、経年劣化が原因で精度が落ちたり故障してしまうのです。
これを避けるためには、修理や定期メンテナンスが必要となります。
トゥールビヨンを搭載した時計は基本的に、3〜5年の頻度での修理を推奨されています。
そしてトゥールビヨンのような複雑機構は、必ずプロに依頼する必要があるのです。
この記事ではトゥールビヨン時計の修理料金と納期を、主な依頼先である「正規サービス」と「修理専門店」に分けて解説していきます。
最後までお読みいただくと、以下のようなメリットがあります。
・トゥールビヨンの修理の依頼先について理解したうえで依頼先を選べる
・トゥールビヨンの修理料金と納期を把握したうえで修理の予算とスケジュールを組み立てられる
・トゥールビヨンの修理を依頼する際の注意点を把握してリスク回避ができる
ぜひこの記事を参考に、愛用しているトゥールビヨンの時計を修理してみてください。
トゥールビヨン時計の修理の依頼先
トゥールビヨン時計の修理の依頼先は、「ブランドの正規サービス」か「腕時計の修理専門店」の2つになります。
両方を詳しく解説します。
ブランドの正規サービス
ブランドの正規サービスは、自社の商品を修理・メンテナンスするために設けられています。
正規サービスならではのノウハウと純正パーツで、時計修理における高い安心感が魅力です。
『トゥールビヨンモデルを発売しているブランド』
・IWC
・オメガ
・タグホイヤー
・ブレゲ
・ジャガールクルト
・ブルガリ
・フランクミュラー
・SEIKO等
例えばオメガの「デヴィル・トゥールビヨンウォッチ」を修理したければ、以下のように依頼します。
・スウォッチグループジャパンの地区指定サービスセンターに持ち込む
・オメガのブティックか正規販売店に持ち込む
・専用サイトから「ピックアップサービス」を利用
所有しているトゥールビヨン時計のブランドに修理を依頼すれば、クオリティが担保されて安心感につながるのです。
腕時計の修理専門店
腕時計の修理専門店は、あらゆるブランドや機能の修理が可能です。
時計修理における熟練のプロが作業するので、高いクオリティの修理が保証されます。
2024年現在で全国に約2,000店舗もあるので、依頼したい店が近所や通勤ルートで見つかりやすくなります。
高いクオリティと依頼のしやすさが、修理専門店の魅力です。
トゥールビヨン時計の修理料金と納期
トゥールビヨン時計の修理で最も気になるのは、やはり修理料金だと思います。
複雑機構ゆえに、トゥールビヨン時計自体の料金が非常に高額です。
基本的に修理料金は、時計の料金に左右されます。
そのためトゥールビヨン時計の修理料金は、決して安くないのです。
また、納期も通常より長くかかってきます。
ここではトゥールビヨン時計の修理料金と納期を、「ブランドの正規サービス」と「腕時計の修理専門店」に分けて解説します。
ブランドの正規サービス:20~40万円
腕時計ブランドの正規サービスに依頼すると、20〜40万円ほどかかります。
ブランドやトゥールビヨン以外にどんな機能がプラスされるかで、値段に幅があります。
これはトゥールビヨンの修理代のみなので、他に修理箇所が見つかればさらにプラスされることもあるのです。
腕時計の修理専門店:10~20万円
腕時計の修理専門店だと、10〜20万円で少し安くなります。
『正規サービスより安くなる理由』
・海外対応にならない
・ブランドと違い商品の開発費や広告費が無い
修理作業は国内で完結するので、海外への輸送費がかかりません。
時計ブランドは商品を開発し、宣伝のために広告費などのコストがかかります。
それが多少なりとも、修理料金に反映されるのです。
修理専門店はもちろん修理作業のみなので、それらが一切かからないのです。
しかし、正規サービスと同様に最終的な修理内容で料金は変動します。
ブランドの正規サービス:1ヶ月半~6ヶ月
正規サービスの納期は、1ヶ月半から最長で6ヶ月はかかります。
国内で修理できれば1ヶ月半ほどですが、海外対応になると6ヶ月と非常に長くなってしまうのです。
トゥールビヨン時計を正規サービスに依頼する場合は、かなり時間に余裕を持つ必要があります。
しかし、そのぶん確かなクオリティで修理が実施されるのです。
腕時計の修理専門店:1ヶ月~
修理専門店は、最短で1ヶ月からとなります。
修理作業が国内で完結するので、そこまで時間はかかりません。
それでも繁忙期や大型連休などで、納期が延びることもあります。
1ヶ月という納期は、あくまでも目安と考えましょう。
トゥールビヨン時計の修理を依頼する際の注意点【依頼先別に解説】
トゥールビヨン時計の修理を依頼するにあたって、注意点があります。
「ブランドの正規サービス」と「腕時計の修理専門店」で異なるので、それぞれ解説していきます。
ブランドの正規サービス:料金と納期が大幅にかかる
正規サービスに依頼すると、料金と納期が大幅にかかります。
『料金と納期がかかる主な理由』
・非常に高度な技術が必要なため技術者が限られる
・トゥールビヨンの修理になると海外本社での対応が多い
トゥールビヨンになると、修理できるスキルの高い技術者が限られます。
そのため各ブランドは、人件費をかけて技術者を確保するのです。
さらに海外対応になることで、日数はもちろん輸送費などもプラスされます。
人件費と海外対応によるコストと手間が、料金と納期に反映されるのです。
腕時計の修理専門店:修理受付できない店がある
腕時計の修理専門店では、トゥールビヨン時計の修理を受付していない店もあります。
『修理受付できない理由』
・供給パーツの入手が困難
・修理できる技術者がいない
・ブランドの専用ムーブメントもある
トゥールビヨンは専用パーツの入手が困難で、技術的な面においても作業できる技術者が限られます。
さらにジャガールクルトの「ジャイロトゥールビヨン」や、SEIKOの「T0コンスタントフォース・トゥールビヨン」などブランド独自の専用ムーブメントもあります。
これらはもちろん、修理専門店での修理は不可能です。
修理専門店に依頼するには、まずトゥールビヨン時計が対応しているか事前に調べる必要があるのです。
トゥールビヨン時計の修理を依頼する方法
トゥールビヨン時計の修理を依頼する方法は、基本的に「来店受付」と「宅配サービス」の2つです。
ただし、主な依頼先である「ブランドの正規サービス」と「腕時計の修理専門店」では少し内容が異なります。
今後の依頼の参考になるよう、それぞれの詳細を解説していきます。
正規サービスの来店受付
全国にある各ブランドの公式ブティックや正規販売店に、修理したい時計を持ち込む依頼方法となります。
例えばタグホイヤーの来店受付なら、2024年現在で120店舗ある正規販売店に依頼します。
主な流れは以下になります。
①最寄りの店舗に来店する
②仮見積もりの作成
③サービスセンターに送付
④見積もり作成
⑤見積もり了承後に修理作業
⑥完了後に取扱店まで返送
自社商品に精通したスタッフに直接相談しながら依頼できるので、より高い安心感が得られます。
修理専門店の来店受付
全国にある腕時計の修理専門店に、修理したい時計を持ち込む依頼方法となります。
ブランドの正規サービスとの違いは、店舗数の違いです。
前述したタグホイヤーの正規販売店は、全国に120店舗あります。
対して腕時計の修理専門店は、2024年現在で約2,000店舗もあるのです。
店舗数が多いぶん、トゥールビヨンに対応する修理専門店が最寄りで見つかりやすいのです。
正規サービスの宅配サービス
もう1つの依頼方法として、「宅配サービス」があります。
例えばブレゲなら、「無料ピックアップサービス」という名目で宅配サービスを実施しています。
『ブレゲピックアップサービスの流れ』
①専用Webサイトで申し込む
②2週間以内に指定の場所まで梱包材が届く
③腕時計を包んでサービスセンターへ送る
④修理完了したら指定の住所に時計が届けられる
⑤代引きで料金支払い
基本的に宅配サービスを実施しているどのブランドも、梱包資材や往復の送料が無料になります。
最寄りに正規販売店やカスタマーサービスが無い場合、もしくは時間が無い場合でも依頼ができる便利なサービスです。
修理専門店の宅配サービス
一部の修理専門店でも、宅配サービスを実施しています。
修理を依頼する流れは、正規サービスとほとんど変わりません。
しかし、往復の送料がかかる事があります。
それでも正規サービスより修理料金が安いので、全体的なコストとしては修理専門店の方がお得になります。
K’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理
K’s factory(ケイズファクトリー)では、時計専門店様から数多くの難しい依頼を受けてきた経験豊富な技術者が皆様のご愛用の腕時計を的確に診断・修理いたしております。また、ほぼ全ての修理工程を自社工房内で完結しており、厳重なセキュリティシステムで責任をもって皆様の大切な腕時計をお預かりしております。
内部(ムーブメント)のオーバーホールはもちろんのこと、外装部の点検・修理なども含めたトータル修理も賜っております。一部修理後のご相談やベルトの交換などのご依頼も対応しておりますので、ぜひK’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理をご活用ください!
まとめ
トゥールビヨン時計の修理をしてくれる主な依頼先と、それぞれの料金を中心に解説してきました。
この記事のポイントをまとめると、以下になります。
・トゥールビヨン時計の修理の依頼先は「ブランドの正規サービス」と「腕時計の修理専門店」
・ブランドの正規サービスの修理料金は20~40万円
・腕時計の修理専門店の修理料金は10~20万円
・ブランドの正規サービスの納期は1ヶ月半~半年
・腕時計の修理専門店の納期は1ヶ月~
・ブランドの正規サービスに依頼する際の注意点は「料金と納期が大幅にかかる」
・腕時計の修理専門店に依頼する際の注意点は「修理受付できない店がある」
・正規サービスの来店受付の窓口は店舗数が限られるので最寄りで見つからないこともある
・修理専門店は全国に約2,000店舗もあるので最寄りで見つかりやすい
・正規サービスの宅配サービスはどのブランドも基本的に梱包材や送料が無料
・修理専門店の宅配サービスは送料がかかる事もあるが修理料金を含めた全体的なコストは正規サービスよりも安い
当記事の結論としては、トゥールビヨン時計の修理は「スキルの高い修理専門店に宅配サービスで依頼する」という事をオススメします。
トゥールビヨン時計の修理は、通所の機械式よりも修理料金が格段に高くなります。
内部の修理やメンテナンスは3〜5年の頻度で依頼する必要があるので、ランニングコストとしてかなりの負担になるのです。
腕時計の修理専門店なら、安い料金で修理できます。
さらに宅配サービスを利用すれば、手間も省くことができるのです。
しかし、トゥールビヨン時計の修理ができるとなると依頼できる店が限られてきます。
そのため、依頼する店を探す際に以下のポイントを確認しましょう。
・「時計修理技能士1級」の資格を保有しているスタッフが在籍している
・トゥールビヨン時計の修理実績がある
上記をWebサイトで確認したり、直接問い合わせるなどで確認してみましょう。
もしくは必要事項の記入や時計の写真を送るだけで出来る、「簡易見積もり」をしている修理専門店もあります。
実施している修理専門店があれば、簡易見積もりも検討してみましょう。
定期的な修理依頼で、高機能なトゥールビヨン時計を長期にわたって愛用してください。