腕時計のオーバーホール頻度は何年?費用や納期も合わせて解説

「腕時計ってオーバーホールせずに放置するとどうなるの?」
「腕時計のオーバーホールって何年おきに必要なの?」
「オーバーホール費用や納期がどれくらいかも知りたい」

この記事は、上記のような疑問に答えていく内容となっています。

腕時計にとって、オーバーホールは必須のメンテナンスです。

ムーブメントのパーツには、かみ合わせを良くするために潤滑油が使用されています。

この潤滑油が、年数が経つにつれて劣化してきます。

すると、精度や機能に不具合が発生し、最終的に故障につながるのです。

それを防ぐためにも、定期的にオーバーホールを依頼しなければいけません。

この記事では、腕時計のオーバーホールをどれぐらいの頻度で出せばいいのか?について、費用や納期も合わせて解説していきます。

最後まで読んでいただくと、以下のようなメリットがあります。

「腕時計をオーバーホールせずに放置する危険性についてわかる」
「腕時計のオーバーホールが何年おきに必要かわかる」
「オーバーホール費用や納期がどれぐらいかわかる」

自分の腕時計にとって適切なオーバーホール頻度を知って、今後のメンテナンスの参考にしてください。

腕時計をオーバーホールしないとどうなるのか?【主な症状3選】

腕時計をオーバーホールせずに放置し続けると、主に以下の症状が発生します。

①時刻ズレが激しくなる
②機能不良になる
③中から異音がする

それぞれを詳しく解説していきます。

①時刻ズレが激しくなる

腕時計を放置することで、時刻ズレが激しくなります。

腕時計は、機械式もクォーツ式も多少の時刻ズレは発生します。

〈一般的な腕時計の精度〉
・機械式=日差+15秒~-20秒
・クォーツ式=月差+15秒~-20秒

しかし、ムーブメントに使用されている潤滑油が劣化すると、パーツ同士の摩擦を主な要因として精度に大きな悪影響が出ます。

日常生活や仕事などに支障をきたすので、オーバーホール作業にてメンテナンスが必要になるのです。

②機能不良になる

腕時計の「カレンダー」やクロノグラフの「ストップウォッチ」などの各種機能にも、不具合が発生します。

潤滑油が劣化し、パーツ同士の摩擦が大きくなった状態を放置すれば、最終的にパーツの破損につながってしまいます。

すると、時刻ズレはもちろん、腕時計が動かなくなることもあります。

③中から異音がする

腕時計の内部から「カラカラ」といった異音がすれば、パーツが破損している可能性があります。

カレンダー機能やクロノグラフなら、機能の不具合でわかりますが、時刻表示だけの「3針」タイプは内部で破損してもなかなか気づけません。

確認できる手段は、「カラカラ」という内部の異音なのです。

「機能不良」や「動作の不具合」が起きる可能性が高まるため、早急にオーバーホールが必要となります。

腕時計のオーバーホール頻度【機械式、クォーツ式に分けて解説】

腕時計のオーバーホール頻度は、「機械式」と「クォーツ式」で変わってきます。

それぞれでオーバーホール頻度が変わってきますので、分けて解説していきます。

機械式時計のオーバーホール頻度【3~5年】

機械式の一般的なオーバーホール頻度は、3〜5年です。

この年数は、ムーブメントに使用されている潤滑油の耐用期限に大きく依存します。

機械式時計はパーツの組み合わせで動いており、一部の劣化が全体に影響します。

そのため、オーバーホールによるメンテナンスが非常に重要となるのです。

だいたい3年経過すればオーバーホールを意識し始め、最長でも5年をリミットに依頼しましょう。

クォーツ式時計のオーバーホール頻度【4~5年】

クォーツ式時計の一般的なオーバーホール頻度は、4〜5年となっています。

クォーツ式にオーバーホールのイメージは、あまり無いかもしれません。

しかし、クォーツ式のムーブメントも経年劣化が避けられません。

機械式時計よりパーツ数が減るぶん、頻度は長くなりますが、定期的にオーバーホールをしなければなりません。

腕時計のオーバーホールの費用相場と納期

オーバーホールを定期的に依頼するということは、費用も定期的にかかるということです。

さらに、オーバーホールは数ある腕時計の修理の中で、最も作業量が多くなります。

結果的に費用はもちろん、納期もそれなりにかかってしまいます。

そのため、オーバーホールの費用や納期をある程度でも知っておいた方が良いでしょう。

オーバーホール費用の一般相場【機能別に紹介】

機械式時計は安いもので約1万円~
クォーツ式時計は安いもので約5千円~
※依頼先やムーブメントの種類で料金は変動します

機械式時計とクォーツ式時計で料金が変わる理由は、パーツ数の違いです。

機械式時計は、約100個のパーツが使用されています。クロノグラフなど複雑な機構になると、約200〜400個ものパーツ数になるのです。

一方クォーツ式時計は、約50個と半分ほどとなっています。

電池が動力なので、ボタン電池や電子回路がパーツの大部分を占めているせいです。

パーツ数が多いと、当然オーバーホールの作業量も増えてきます。

そのため、クォーツ式時計と機械式時計で大きな差が生まれるのです。

一般的なオーバーホール納期

腕時計の一般的なオーバーホール納期は、3〜4週間となります。

少し長く感じるかもしれませんが、オーバーホールにはいくつもの工程があります。

〈オーバーホール作業の流れ〉
①時計の分解
②パーツの洗浄
③ケース&ブレスの洗浄
④注油
⑤組み立て
⑥精度調整
⑦防水テスト

この様に、多くの作業が必要なのです。さらにパーツの破損があれば、上記にパーツ交換も含まれます。

メーカーや修理店の工房は、常に修理の対応に追われています。

受付した順に手がけるので、自分の時計が工房に送られてすぐに修理されるわけではないのです。

そのため、ある程度の余裕を持った納期となっています。

腕時計のオーバーホールの依頼先【それぞれ2つのメリットと合わせて解説】

腕時計修理店

腕時計のオーバーホールの主な依頼先は、以下となります。

・ブランドの正規サービス
・腕時計の修理専門店

それぞれの依頼先を、2つのメリットと共に解説していきます。

ブランドの正規サービス

所有している腕時計のブランドの正規販売店やサービスセンターに持ち込めば、正規サービスのメンテナンスが受けられます。

国内外問わず、あらゆるブランドは独自の修理工房を設けています。

そこで、自社商品のあらゆる修理を適切に実施していくのです。

ここでは、ブランドの正規サービスのメリットを2つご紹介します。

正規サービスのメリット①:高い信頼性

正規サービスのメリットは、オーバーホールにおける高い信頼性です。

正規サービスでは、自社製品ならではの修理ノウハウで作業が行われます。

パーツ交換の際も純正パーツを使用するので、適切な性能かつ資産性も確保されます。

正規サービスを利用することで、腕時計の所有者は高品質なサービスと安心感を得られるのです。

正規サービスのメリット②:「コンプリートサービス」で新品同様に

正規サービスでは「コンプリートサービス」という、網羅的なサービスを設けているブランドが多い傾向にあります。

ここでは例としてオメガのコンプリートサービスサイトのリンクを貼っておきます。

「コンプリートサービス」では、オーバーホールだけでなく様々な追加サービスも提供しています。

例えば、本来は別料金である外装の研磨を実施してくれるなどがあります。

内装だけでなく外装も磨くことで、オーバーホール単品よりも綺麗な状態で戻ってくるのです。

腕時計の修理専門店

全国にある腕時計の修理専門店でも、オーバーホール依頼ができます。

腕時計修理においては熟練のプロが在籍しており、あらゆるブランドの修理を手掛けてくれます。

そんな修理専門店のメリットを2つご紹介します。

修理専門店のメリット①:費用が安くなる

修理専門店のメリットは、正規サービスと比べて費用が安くなる点です。

正規サービスの修理工房は、面積や人員などの面から大規模になるので維持費がかかります。

しかし、大半の修理専門店は正規サービスセンターよりも小規模で運営されています。

経費や固定コストが低い場合があるので、それが修理料金に反映されるのです。

安くてもプロが手掛ける以上、修理のクオリティは正規サービスにも劣りません。

ただし、数多くある修理店の中では残念ながら高いクオリティーのサービスを提供していないところもあります。

修理を依頼する際には、その修理専門店がしっかりとした質の高いサービスを提供しているかチェックしましょう。

修理専門店のメリット②:ネットで見積もり・宅配サービスが依頼できる

ネットで見積もりと宅配サービスが依頼できる、修理専門店もあります。

①専用フォームに必要事項を入力
②状態を具体的に把握するために時計の写真も送る
③見積もりの結果が後日送られてくる

そのまま依頼したくなれば、宅配サービスも利用できます。

①Webサイトから修理の申し込み
②指定の場所に宅配キットが送られる
③宅配キットに腕時計を入れて送り返す
④修理工房にて修理作業
⑤完了後に指定の場所まで返送

見積もりから宅配サービスの流れは、全てネット上で完結します。

店舗に来店する手間も省けて、タイムパフォーマンスに優れた便利なサービスです。

K’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理

K’s factory(ケイズファクトリー)では、時計専門店様から数多くの難しい依頼を受けてきた経験豊富な技術者が皆様のご愛用の腕時計を的確に診断・修理いたしております。また、ほぼ全ての修理工程を自社工房内で完結しており、厳重なセキュリティシステムで責任をもって皆様の大切な腕時計をお預かりしておりますので、ぜひK’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理をご活用ください!

腕時計のオーバーホール頻度を長くするための習慣3選

オーバーホールは費用がかかるので、なるべく頻度を抑えたいところです。

経年劣化は避けられませんが、使用の仕方次第でダメージを抑えて頻度を延ばすことが可能です。

ここでは、腕時計のオーバーホール頻度を長くするための習慣3選を解説します。

①腕時計をマメに拭く
②丁寧に扱う(強い衝撃を与えない)
③高温や湿気に注意する

どれも簡単なので、ぜひ使用の参考にしてください。

①腕時計をマメに拭く

できれば腕時計を外すたびに、専用のクロスで全体を拭き取ってください。

腕時計は1日着用すると、皆さんが想像するよりも汗や汚れが付着します。

それらを拭き取ると、まず外装のサビが防げます。

サビはセルフメンテナンスでは除去できません。なので、オーバーホール時にパーツ交換が入ります。

また、外装が傷んだ状態だと、内部に水分が侵入する可能性もあります。

そうなると故障確率が上がってしまい、結果としてオーバーホールの頻度は高くなってしまいます。

汗や汚れをマメに拭くと、あらゆるトラブルの予防になります。

②丁寧に扱う(強い衝撃を与えない)

腕時計を乱暴に扱うと、当然のことながら時計の寿命は縮まります。

特に機械式時計は、内部の構造上あまり衝撃に強くありません。

少しの衝撃でパーツがズレ、それが原因で故障することもあります。

着用時はなるべくぶつけたりしない様に気を付けたり、腕時計を外す際には丁寧に置くなど強い衝撃を与えないように気をつけましょう。

また、腕時計は安全な場所に保管しましょう。

③高温や湿気に注意する

腕時計にとって、高温と湿気は大敵です。

腕時計が高温になると、内部の微細なパーツが変形する可能性があります。

湿気はいわば水分なので、内部に侵入するとサビや故障の原因になります。

それらを防ぐためにも、以下の場所には特に注意しましょう。

・風呂場、シャワー室の近辺
・サウナ
・夏場の車内

・直射日光が当たる窓際

これらの場所はできるだけ避けましょう。

直接的に故障につながらなくても、想像以上に内部を劣化させてしまいます。

まとめ

腕時計のオーバーホール頻度について、費用や納期と合わせて解説してきました。

この記事の要点をまとめると、以下になります。

・腕時計をオーバーホールしないと経年劣化で不具合が発生する
・機械式時計のオーバーホール頻度は3~5年
・クォーツ式時計のオーバーホール頻度は4~5年
・機械式時計の費用相場は安いもので約11,000円~
・クォーツ式時計の費用相場は電池交換も含めて安いもので約6,600円~
・一般的なオーバーホール納期は3~4週間
・オーバーホールの依頼先は「ブランドの正規サービス」か「修理専門店」

・腕時計を丁寧に扱う習慣を心がける

腕時計はオーバーホール頻度を順守し、定期的にメンテナンスして故障のリスクを減らすことが重要です。

しかし、料金や手間の事を思うとやはり躊躇してしまいがちです。

修理専門店なら、ネット見積もりや宅配サービスで依頼の手間も省けます。

料金も安いので、長い目で見てもランニングコストの削減になるのです。

修理専門店の技術力に関しては、以下を確認してみてください。

・スタッフの保有資格(「腕時計修理技能士1級」など)
・修理実績や対応ブランドの豊富さ

ぜひこの記事を参考に、愛用している腕時計のオーバーホールを依頼してみてください。

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