「オメガのスピードマスターをオーバーホールするとしたら料金や納期がどれぐらいか知りたい」
「オメガのスピードマスターをオーバーホール依頼する際の注意点が知りたい」
「依頼先によるおすすめのポイントがあれば知りたい」
この記事は、上記のような疑問に答えていく内容となっています。
オメガは、1848年に時計師の「ルイ・ブラン」によってスイスで創業されました。
1885年に発表した超高精度ムーブメント「ラブラドール」や、ブランド名の由来にもなった1894年の名作「Cal.19(Ω=オメガ)」などによって、創業当初から世界的なヒットを記録していました。
そして、1957年に名作「スピードマスター」が誕生しました。1969年には人類初の月面着陸にも同行し、「ムーンウォッチ」の愛称で多くのファンに親しまれています。
そんな、厳しいNASAのテストを突破したスピードマスターでも、経年劣化は避けられません。内部に使用されている潤滑油が劣化することにより、時計が止まったり遅れたりするのです。
部品同士の摩擦が激しくなり、腕時計の精度に悪影響を及ぼします。放置し続けると最終的に部品が摩耗して、腕時計自体の故障に繋がります。
そのため、定期的なオーバーホールが必須となるのです。
〈腕時計のオーバーホール作業〉
①外装とムーブメントをそれぞれ分解する
②ムーブメントパーツの洗浄
③外装の研磨
④外装の洗浄
⑤パーツごとに注油
⑥組み立て
⑦精度の調整
⑧防水テスト
上記の作業を行い、時計を限りなく最適な状態にメンテナンスします。本来の精度を取り戻し、故障のリスクも回避できるのです。
しかし、いざ依頼するといってもオーバーホール料金や納期など、気になることがいくつかあります。
この記事では、オメガのスピードマスターのオーバーホール料金や納期、依頼時の注意点などを解説していきます。
最後まで読んでいただくと、以下のようなメリットがあります。
「オメガのスピードマスターのオーバーホール料金や納期がわかる」
「オメガのスピードマスターをオーバーホール依頼する際の注意点がわかる」
「依頼先によるおすすめのポイントがわかる」
ぜひこの記事を参考に、オメガのスピードマスターをオーバーホールしてみてください。
オメガの「スピードマスター」とは?
オメガは、日本でも非常に人気のあるブランドです。スピードマスターは、そんなオメガの人気を支える主力モデルの1つです。
ここでは、そんなスピードマスターの特徴を3つに分けて解説します。
オーバーホールに関係する特徴もありますので、ご参考にしてください。
①オメガを代表する名作クロノグラフ
スピードマスターの特徴は、クロノグラフ (ストップウォッチ機能)やタキメーター(時速や平均速度を計測する計算尺)を搭載していることです。
もともとスピードマスターは、モータースポーツ用の腕時計として制作されました。
クロノグラフとタキメーターを搭載した初の腕時計として、その高性能ぶりが評判となったのです。
最近では、2013年に世界初の「超耐磁ムーブメント」、2015年には超耐磁ムーブメントにコーアクシャル脱進機を搭載した「マスタークロノメーターモデル」を発表しました。
57年の誕生以来、いまだに進化を続ける名作クロノグラフなのです。
②高い性能と耐久性
スピードマスターを語るうえで外せないのは、NASAにも認められた「高い性能と耐久性」です。
高精度=日差0~+5秒以内(一般的な機械式はおおよそ-15~+20秒以内)
耐磁性=内部の部品をシリコン製にするなど耐磁性素材を使用
耐衝撃性=1メートルの高さから床に落としても耐えられる設計
その持ち前の高精度と強靭な作りによって、1965年にNASAの過酷なテストをクリアしたのです。
そして、69年のアポロ11号による人類初の月面着陸をはじめ、宇宙における様々な偉業に同行したことで”ムーンウォッチ”の称号と共に愛されてきました。
こうして、オメガを代表するクロノグラフとして、現在まで愛されているのです。
③「コーアクシャル機構」を採用
スピードマスターの一部モデルには、「コーアクシャル機構」が搭載されています。
「コーアクシャル機構」とはオメガの発明ではなく、イギリスの時計師「ジョージ・ダニエルズ」によって1978年に考案された脱進機(エスケープメント)です。
この脱進機によって、パーツ同士の摩擦が軽減されます。それにより、オーバーホール頻度を長期化できるというメリットがあるのです。
オメガのスピードマスターのオーバーホール料金【納期と頻度も解説】
オメガのスピードマスターのオーバーホールには、主に2つの依頼先があります。
・オメガの正規サービス
・腕時計の修理専門店
ここでは、スピードマスターのオーバーホール料金と納期を、上記の依頼先に分けて解説していきます。
正規サービスのオーバーホール料金と納期
機能 | オーバーホール料金(税込) |
---|---|
クォーツ | 74,800円 |
クォーツクロノグラフ | 90,200円 |
自動巻き | 105,600円 |
自動巻きクロノグラフ | 135,300円 |
手巻き | 105,600円 |
手巻きクロノグラフ | 135,300円 |
コーアクシャル機構 | 見積もり |
※パーツ交換などで料金がプラスになることがあります
正規サービスの納期:約6週間~
正規サービスでは、オーバーホール作業をより網羅的にした「コンプリートメンテナンスサービス」として実施しています。
内容としては、オーバーホール作業の他に「外装の研磨」や「摩耗した部品の交換」が含まれます。
ムーブメントだけでなく、外装もリフレッシュされて戻ってくるのです。
さらに、24か月(2年間)のサービス保証も付いています。
修理専門店のオーバーホール料金と納期
機能 | オーバーホール料金(税込) |
---|---|
クォーツ | 約28,600円~ |
クォーツクロノグラフ | 約38,500円~ |
自動巻き | 約33,000円~ |
自動巻きクロノグラフ | 約41,800円~ |
手巻き | 約33,000円~ |
手巻きクロノグラフ | 約41,800円~ |
コーアクシャル機構 | 修理不可 or 見積もり |
※パーツ交換などで料金がプラスになることがあります
修理専門店の納期:約3週間~
修理専門店では、正規サービスに比べて非常に料金が安くなります。
理由は、正規サービスと比べて修理工房の規模が抑えられていることです。
正規サービスは、全国から送られる修理品に対応するため、それなりに大規模な設備や人員が必要です。
しかし、修理専門店は1人~複数人の小規模な店舗型もあります。
工房を維持するための維持費が、正規サービスと比べて安いことが修理料金などにも反映されるのです。
アフターサービスも、半年間~1年間の修理保証が付きます。
スピードマスターのオーバーホール頻度
コーアクシャル機構以外のスピードマスター:5~8年
コーアクシャル機構のスピードマスター:8~10年
オメガの公式は、5〜8年ごとのコンプリートメンテナンスサービスを推奨しています。
しかし、前述した「コーアクシャル機構」を搭載しているモデルは、部品の摩耗を抑える設計となっています。
スピードマスターでも一部のコーアクシャル機構に関しては、頻度が少し長めの約8〜10年と言われています。
K’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理
K’s factory(ケイズファクトリー)では、時計専門店様から数多くの難しい依頼を受けてきた経験豊富な技術者が皆様のご愛用の腕時計を的確に診断・修理いたしております。また、ほぼ全ての修理工程を自社工房内で完結しており、厳重なセキュリティシステムで責任をもって皆様の大切な腕時計をお預かりしております。
内部(ムーブメント)のオーバーホールはもちろんのこと、外装部の点検・修理なども含めたトータル修理も賜っております。一部修理後のご相談やベルトの交換などのご依頼も対応しておりますので、ぜひK’s factory(ケイズファクトリー)の宅配修理をご活用ください!
オメガのスピードマスターのオーバーホールを依頼する際の注意点と対策
高額なスピードマスターを依頼する以上、不要なリスクは避けたいところです。
ここでは、オメガのスピードマスターのオーバーホールを依頼する際の注意点とその対策について、依頼先別に解説していきます。
正規サービスの注意点:依頼先が限定される
正規サービスは、依頼先の窓口がかなり限定されてしまいます。
正規サービスの依頼先一覧(スウォッチグループジャパンの地区指定サービスセンター) |
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東京カスタマーサービス |
(有)札幌時計サービスセンター |
中部時計サービスセンター |
九州地区指定サービスセンター(有)スイス時計サービスセンター |
オメガブティック心斎橋 |
都道府県で言うと、「東京」「大阪」「北海道」「愛知」「福岡」だけとなっています。
それ以外の都道府県にお住まいの方には、なかなか来店での修理受付は難しいでしょう。
対策:「ピックアップサービス」を利用する
正規サービスでは、指定の場所に時計を引き取りに行く「ピックアップサービス」も展開しています。
専用Webサイトで申し込みすると、指定の場所まで2週間以内に梱包材を届け、時計の引き取りをするサービスです。
梱包資材や時計の配送料が、全て無料で利用できるのです。
メンテナンス料金は返送時に代引きで支払いしますので、自宅で全て完結します。
「ピックアップサービス」なら受付窓口が遠方でも、正規サービスに修理依頼が出来るのです。
修理専門店の注意点:「コーアクシャル機構」のモデルは修理不可が多い
修理専門店において「コーアクシャル機構」を搭載したモデルは、主に部品供給の問題でオーバーホールできないことが多くなります。
「コーアクシャル機構」を搭載したムーブメントは、オメガしか採用していません。オーバーホール時にパーツ交換が必要になっても、修理専門店では純正品の入手が困難となっています。
そのため、多くの修理専門店でコーアクシャルモデルのオーバーホールは受付自体が行われていない所も多く存在しています。
対策:コーアクシャルモデルも対応できる修理専門店を探し出す
とはいえ、コーアクシャルモデルが全ての修理専門店でオーバーホール出来ないわけではありません。
修理実績や料金表などで、コーアクシャルに対応しているかどうかがわかります。
そして、対応できる修理専門店は技術力も優れていることが大半です。
技術力が高いうえに、修理専門店なので料金も安く済みます。
スピードマスターのオーバーホールの依頼先別のおすすめポイント
注意点だけでなく、依頼先を選ぶにあたってのおすすめポイントも知っておきたいところです。
ここでは、依頼先によるおすすめポイントをご紹介します。
正規サービス:専門知識と技術の保証
正規サービスには、自社商品ならではの的確な修理ノウハウがあります。
専用の道具や設備を整えた修理工房で、専門知識を有したスタッフが作業を行います。
時計の正確な修理とメンテナンスが保証され、品質の高い仕上がりが期待できるのです。
修理専門店:正規サービス並みの”クォリティ”と”サービス”
腕時計の修理専門店の中でも、確かな技術と経験を持った修理店は正規サービスと遜色ないクオリティとサービスを提供してくれます。
しかし、全国に多数の修理店が存在するぶん技術力にムラが発生しているのも事実です。
そのため、修理専門店への依頼を検討する際は、自分自身で優良な修理専門店を見極める必要があります。
〈優良な修理専門店を選ぶポイント〉
・修理専門の資格である「時計修理技能士1級」を保有しているスタッフが在籍している
・スピードマスターのオーバーホール実績がある
・店の口コミを確認する
上記のポイントを押さえ、修理専門店などのwebサイトをチェックしてみましょう。
「宅配サービス」も実施している
一部の修理専門店では、正規サービスの「ピックアップサービス」と同様に「宅配サービス」を実施しています。
内容は「ピックアップサービス」とほぼ同じで、まずはネットから申し込みます。配送キットが送られてくるので、あとは腕時計を送って修理してもらうだけです。
送料がかかる場合もありますが、オーバーホール料金が安いのでコストパフォーマンスは高いといえます。
まとめ
オメガのスピードマスターのオーバーホール料金や納期をはじめ、網羅的に解説してきました。
この記事の要点をまとめると、以下になります。
・スピードマスターは高い性能と耐久性が魅力のオメガを代表するクロノグラフ
・一部モデルでは「コーアクシャル機構」を搭載している
・オーバーホール頻度は「コーアクシャル機構」なら8~10年で、「コーアクシャル機構以外」なら5~8年
・正規サービスだと受付窓口が限定されるので来店が難しい場合は「ピックアップサービス」で依頼できる
・「コーアクシャル機構」は部品の入手が難しいので、修理専門店だと受付できないことも多い
・修理専門店によっては「コーアクシャル機構」でも対応できるところがある
・正規サービスのおすすめポイントは専門知識と技術の保証
・修理専門店は正規サービスと変わらないクォリティのサービスが受けられる
・優良な修理専門店を選ぶポイントは、「”時計修理技能士1級”を保有しているスタッフが在籍している」「スピードマスターのオーバーホール実績がある」「店の口コミも確認する」
・一部の修理専門店では「宅配サービス」を実施している
腕時計のオーバーホールは、数年ごとにのしかかるランニングコストです。
そのため、クオリティを保ちつつコストを抑えられるという面では「技術力の高い修理専門店に依頼する」というのがおすすめです。
なおかつ宅配サービスを実施している修理専門店なら、手軽に済ませることができて便利です。
オーバーホールは、腕時計の長寿命化にもつながります。
信頼できるプロに依頼して、末永く愛用できるようにしましょう。